第三十七話
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ろ泣けてきそう・・・でも、まだそれどころじゃない。
妹を守るくらいは・・・お姉ちゃんなんだから、やらないと。
「・・・娘よ、まだ立つのか?」
「・・・当、然!」
折れた足で体を支えるのは、さすがに無理。
だから折れてないもう片方の足だけで立って、折れた方の足はそのままぶらつかせる。
次に突進してきたときには、この足を鞭にして横から弾いてやる。
そう決めて、再び突進してくるナインディンを見据えていたら・・・地面から急に槍が生えて・・・いや、飛んできて、ナインディンが動きを止める。
この槍って、確か・・・
「悪いな、マリー。遅くなった」
そして、槍が飛んできた穴からは、褐色の少女を連れた・・・
「・・・ううん、タイミングばっちり。さすが、私の大好きな武双お兄様」
神代武双。私が来るのを待っていた人で・・・私が、大好きなお兄様。
この人は始めて会ったときから、私がピンチになると必ず来てくれる。
◇◆◇◆◇
「・・・まず、オマエは誰だ?」
『挨拶すらできておらず、申し訳ございません。ゲイ・ボルグでございます』
俺の右腕から聞こえてくる声は、確かにそう名乗った。
こいつ、意思があったのか・・・
『ええ、まあ。主を選ぶ槍が、意志を持たぬ道理はございますまい』
「それはそう、か」
「あの・・・誰と話しておられるのですか?」
「ん?・・・ああ、他の人には聞こえてないのか。なんかよく分からんが、ゲイ・ボルグが話しかけてきた」
そう言うと、ゲイ・ボルグのことは知っていたのか、特に驚いた様子はなかった。
資料にも載せてたし、知っていたのだろうな。
「それで?なんのようだ?」
『いえ、主のお考えの方法では、恐らくもとの世界に戻るのは不可能でございます。それに、今ある情報だけでは悪戯者めの権能は使えません。地上に戻り、魔女の天啓をお受け取りいただきませんと』
「マジか・・・じゃあ、何か方法ある?」
『ええ、ございます』
ならよかった。
このまま帰れないとか、本当に冗談にならない。
『早く起きなさい、ブリューナク。主の危機に起きないとは、何事ですか!』
『・・・あぁ、うるせえなぁ』
そして、次は左腕から声が聞こえてきた。
「・・・なんというか、主とは真逆の性格なんだな」
『ええ、まあ。同じ性格でも、けんかになりかねませんし』
『反面教師にした感じだなぁ』
「あー・・・クー・フーリンはともかく、ルーは反面教師になるようなやつじゃなくないか?」
『あんなクソ真面目なやつになりたかない』
そう来たかー・・・
「で、話を戻すが。方法ってのは?」
『簡単なことだ。オレは全てを貫く槍。世界の境
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