暁 〜小説投稿サイト〜
SAO 〜冷厳なる槍使い〜
SAO編
第一章  冒険者生活
9.こだわりを求めて
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の人がすぐ近くに居るのに、とてもじゃないけど乙女の口から《下着》やら《パンツ》なんて言えない。
 これで結構わたしって恥ずかしがり屋なのです。

「…………え?」
「あ、勘違いしないでほしいんスけど、着替えないまま過ごしているってことじゃなくて、《ちゃんと毎日洗ってる》ってことッス」

 そう。わたしたちは下着を――下着だけじゃなくて部屋着とか洗えるものは毎日洗っている。毎日しっかりと清潔にしているのだ。

 あれは、わたしたちがまだ第一層主街区《はじまりの町》で出発の準備をしていた頃。
 その頃のわたしたちも、まさに着替えについて悩んでいた。もちろんキリュウさんには内緒で。
 汚くならないということは解っていても、やっぱり着たまんまというのは不潔というイメージがある。だけどこれといった解決策も思い浮かばず、わたしたちは日々の狩りで稼いだお金で着替えを買うことにした。
 だがそんなとき、幸運にもとあるクエストの報酬でわたしたちの悩みは解決した。

《手回し式洗濯機》。

 縦長の木桶(きおけ)に自転車のペダルのようなものがついていて、木桶の中にオブジェクト化した衣服と水を入れ、ペダルのようなものを回して中をかき混ぜる。一回に一日の一人分を入れることが出来るが、五分間ずっと回し続けなければならない。
 ちょっとめんどくさいと思うかもしれないけど、しっかりとした手順を踏んで、乾かすところまでいくと、なんとその衣服に《二十四時間敏捷値+0.5》というバフ効果が付随される。
 金属装備や革装備は洗えないけど、インナー上下に布装備上下の四点でも敏捷値+2だ。これは大きい。洗濯なんて仮想世界じゃ意味が無いような印象だったけど、わたしらにとっては一応の清潔(?)が保てる上に能力(パラメータ)まで上がるという美味し過ぎる特典がある。
 わたしたちは、キリュウさんも含め全員が一人一台、これを持っていた。

「……というわけで、これならお姉さんの悩みも解消出来ると思うんスけど?」
「…………」

 お姉さん絶句、といったところだろうか。
 まあでも、あのクエストは見つけるのに色んなNPCに話を聴きまくったし、そもそもSAOでは洗濯は出来ないと考えているプレイヤーも多いだろうし、お姉さんたちが知らないのも無理は無い。

「そ、そのクエストって何処で受けられるの……?」

 震える声で訊いてくるお姉さん。だから前髪の隙間から覗くように見ないでって。怖いんだって!

「あー、よければひとつあげるッスよ。うちら人数分持ってるッスし」
「え……いい、の?」

 はい、いいですよー。どうぞどうぞ。……ククク、その代わり見返りは期待させて貰いますけどね!
 先ほどのアイコンタクトでネリー、レイアの許諾は貰ってる。たっ
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