SAO編
第一章 冒険者生活
9.こだわりを求めて
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以上の戦果だ。
――本当に良かった。これできっと彼女も……。
結果は思った以上だった。それもこれもこの子たちのお陰だ。
「――それじゃあ、帰ろうか」
ぼくは四人に向って言った。
さあ早く街に帰ろう。彼女の反応が楽しみだ。
◆
第三層西部の森から歩いて二時間。
わたしらは主街区《ヘイシャム》へ到着した。
「うー」
――ね、ねむいッス……。
予想と覚悟はしてたけど、やっぱり徹夜はつらい。
前は遊んでてつい徹夜してしまうこともあったけど、あのときとは全然テンションが違うし、あのギョロ目もこもこフクロウとの激しい戦闘と今現在のゆったりのんびり帰還ツアーとじゃ緊張感の落差もあって余計に眠さが際立つ。
キリュウさんの表情はいつもと変わらないからよく解らないけど、わたしら女子組はもちろん、バートさんも疲れているのが目に見えて現われていた。
「……バートさん」
《ヘイシャム》の門を潜ったところで、キリュウさんが立ち止まって振り返った。
「うん? どうかしたかい?」
「……一旦、解散しませんか? 睡眠を取ってから再度集まるというのは如何でしょう」
――そ、それは助かるッス〜〜っ!!
キリュウさんの後ろでブンブン顔を縦に振るわたし。
「あー、そ、そうだよね。みんな眠いよね。……うん。じゃあそうだな、今日の午後六時……でいいかな。昨日と同じ《水梨亭》の二階三号室に来てくれるかい? 報酬の件もそのときに話そう」
わたしのプッシュが効いたのか、少し苦笑い気味に同意してくれたバートさん。
今日の夕方六時に再び会う約束をして、バートさんとはその場で別れた。
「きりゅーさーん。やどぅやーにいきましょうよー。ねむねむねーですよー……」
なんだそりゃ、と突っ込みたくなるが、普段二十二時でぐっすりなネリーだ。ここまでよく持ったと今更ながら思う。既に思考回路はスライム状態なのだろう。
「……ああ、そうだな。アルゴに聞いた寝床は後日にして、今日は近くの宿屋に泊ろう」
「あいー」
アルゴさんから聞いた民家を借りる寝床はいくつかクエストをこなさなきゃいけないらしいし、バートさんが泊まっている水梨亭はここからはちょっと遠い。
キリュウさんの言葉に快く頷き、わたしたちはすぐそこに見えた名も知らぬ宿屋に入って行った。
コンコーン。
軽くドアをノックする。が、その音はシステムによってどんな小さな音でも部屋の住人の耳に届く。 相手が耳栓アイテムを使ってればその限りじゃないけど。
「はいはい」
すぐにドアが開き、中から見慣れた巨漢が現れる。どうやら耳栓はしていなかったようだ。
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