『三十四話』〜歌姫を探せ 後編〜
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してる恭也さんは驚いたないみたいだな。
「こ、こいつ…」
たじろぐ男達。
「何やってんだ!たかがガキ1人じゃねぇか!」
黒服のリーダーらしき男が周囲の黒服達に一喝する。
黒服達は目線を合わせると一斉に襲いかかってきた。
「…遅い!」
俺は一人目の胸元を途中で拾った鉄パイプで突いて吹き飛ばし、二人目を横払いで横腹を殴って吹っ飛ばす。
「背後ががら空きだぜぇ!」
背中から聞こえる声。
ああ、ダメダメだな。一般人なら有効だろうが…。
「はぁ……」
鉄パイプを頭の上に掲げて男の一撃を防ぐ。どうやら鉄パイプ辺りで殴ろうとしたのだろうが。
「な…!?」
「弱すぎだよ!!」
左足からの回し蹴りで男の鳩尾を蹴る。
「ぐぅぇ!!」
男はその場に崩れる。
「くたばれぇ!」
同じく鉄パイプで殴りかかってくる男。
それは身体をずらしてかわしてから鉄パイプで男の顎目がけて突く。
「ぐがっ!」
後ろに倒れる。
「てめぇ!」
更に殴りかかってくる男。俺は男の右手首を掴んで投げ飛ばし、倒れた所を鉄パイプでスネを殴って骨を折る。
しばらくして俺の周りには身動きしない男達が寝ていた。
残ったリーダーらしき黒服は懐から拳銃を取り出した。
「へへへ…動くなよ…動けばてめえの眉間に大穴が開くぜ?」
男はニヤニヤ笑いながら近づいて来る。
「ほら、その鉄パイプを捨てろよ」
男は拳銃を構えていた。
「卑怯者〜!!」
「黙ってろ! どんな手でも勝てば官軍、負ければ賊軍ってな!」
「…ああ、そうだな」
俺は鉄パイプを床に投げる。
「へっへっへっ…あばよ」
――パンッ
乾いた音が鳴り響いた。
「拓斗!!」
俺は顔を傾けて弾を避けた。
拳銃程度の速度なら容易い。
「え…?」
男の呆然とする顔。
「どうした? しっかり狙わないと、当たらないぞ?」
「く、くそっ!」
男は連射した。弾が飛んで来るが俺はそれを全て避ける。
「ど、どうなってるんだよ!?」
五発鳴り響いたあと、むなしく響く拳銃の撃鉄音。
「…さてと…」
「ひっ…!」
俺は床にあった鉄パイプを拾う。
「待ってもらいたい」
ちょび髭が俺に声をかける。
「なんだ?」
「先程、お前は『兼歌姫』と名乗ったか?」
「名乗ったな」
「
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