『三十四話』〜歌姫を探せ 後編〜
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でもやり過ぎだと彼等は反対したが結局クライアントには逆らえなかった。
その時に噂が起きたという海鳴公園でなのは達を見つけ、勢いで誘拐してしまったということだ。
「それは……」
「ちょっと……」
「難しいって言うよりむちゃくちゃじゃないそれ……」
「だろ? 分かってくれるか。もうほんと大変でさ……」
おしゃべり万屋男……もうおしゃべりでいいや。おしゃべりはその後もなのは達に対して仕事の愚痴をこぼし、なのは達はそれを親身に聞いていた。
(というかおしゃべりは誘拐犯だよな? なのは達は誘拐されたんだよな? 何でお前らそんなに仲良くなってんだ?)
今大声で言ってやりたい気持ちを抑えながら携帯を取り出し恭也さんに電話する。
『どうしたんだ? 見つけたのか?』
「見つけたのは見つけたんですけど……これ俺一人で十分みたいです。というかこの事件の発端は俺らしいんで」
『何? ……どういうことだ?』
「今から説明するので……とりあえず何故か電話から伝わってくる殺気を抑えてくれませんかね? 強くないはずなのになんか怖いんですよマジで」
拓斗、説明中
『なるほどな。それでなのは達が…………よし、お前今すぐに『自分が月夜の歌姫だ』と自白しろ』
「ちょっと恭也さん? 俺が何で歌姫やってるか知ってますよね? それを知っていて尚自白しろと?」
『月夜の歌姫はなのはと交わした約束のことだろ? もう再会して長いんだし、そろそろいいんじゃないか?』
「そうかもしれないですけど、やk「何を言ってるんですか!!?」ん?」
『どうした?』
「ちょっと待って下さい」
恭也さんに一言断りを入れてから再び下を覗き込む。
そこには先程いたなのは達とおしゃべり以外にも複数の男がいた。
おしゃべりがなのは達をかばうように立っている。
おしゃべりの正面にはいかにも悪そうな格好をしているちょび髭の男を囲うように黒服達が八人、そして入口あたりには見張りと思われる黒服が三人。
ちょび髭がクライアントの芸能事務所の人間、黒服達はおそらく金で雇ったボディガードといったところだろう。
しかしあの風貌で芸能事務所に勤めてんのか? あのゴツい体と顔で? どう見たって
「確かに誘拐をしても歌姫は来ません。ですが! だからってこの子達を殺すというのはどういうことですか!?」
「だから歌姫一人の為に誘拐してしまった事に問題がある。もし解放して誘拐をしたことを警察に通報されたらどうする? 命じた私が捕まってしまうだろう。逮捕されるのはゴメンなのでね、証拠は隠滅しないといけ
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