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精霊と命の歌
Disc1
鈴鳴る氷の洞窟
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コアの欠片も完璧に消滅した所でエミルのトランスが解けるが、あの荒々しい赤い目は変わらない。
一体……エミルに何が起こっているんだ?
少し回復した体を無理やり動かして立ちながら問う。

「お前は……エミルか?」

「……さあな。俺は寝る。後は任せた」

「は? ちょっ! おいっ!」

急に倒れたエミルを咄嗟に支えて床に降ろす。
さっきのエミルは一体どうなっていたのか……
今考えても答えは出てこない。
吹雪が止んだ今、ガーネット姫達の事も気になる。

「……う」

「目が覚めたのか?」

姫達の所へと戻ろうとした時、エミルが目を覚ました。

「え? ジタン! 良かった! 無事だったんだね!」

「あ、ああ。なんとかな」

エミルは、さっきの事を覚えていないのか?
純粋にオレの無事を喜んでいる姿を見ても嘘をついているようには見えない。
ますますさっきのエミルについて気になる所だが、今は姫達の所へ戻ろう。

オレ達は姫達のもとへと向かった。



◆ ◇ ◆

巨人の攻撃で気絶しちゃったけれど、巨人は何とか倒せたみたい。
本当にジタンが無事で良かった。

(ねぇ、ラタトスク。僕が気絶した後の事を詳しく聞きたいんだけれど……)

(……)

(ラタトスク?)

寝ちゃっているのかな? ならそっとしておこう。
そう思いながらジタンと一緒にビビ達の所へ戻ると皆は起きた所だったみたいだ。
良かった……皆無事で……

その後、ジタンとスタイナーさんがまた口論になっていたけれどガーネット姫が止めてそれから僕達は洞窟を出た。

洞窟の外は温かい日光に広い青空。
氷の洞窟は確かに綺麗だけど吹雪のせいで楽しめるものではなかったし、温かい日光はとてもありがたく思える。

僕達は次の目的地を洞窟出口から見える村に決めて向かう事になったけど……そのまえにガーネット姫の言葉遣いや偽名を考えた方が良いとジタンの提案でガーネット姫が偽名を考えた。
その時またジタンとスタイナーさんが喧嘩するけど僕達全員で止め、ガーネット姫はダガーと名乗る事に決定した。

それから僕達は、眼下に見える村へと出発した。







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