天馬から妖精達へ
[1/7]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「ジェラール!」
「ジェラールさん!」
「ホントに・・・ジェラールだ・・・」
「エルザも一緒よ」
六魔将軍の1人であるミッドナイトを倒したエルザとジェラールは、そこから少し距離のある場所にいた。
と、そこにウェンディ、シャルル、アラン、ココロがやってくる。
「ウェンディ、アラン、ココロ。無事だったか。よかった」
悠遠の衣を身に纏ったエルザが笑みを浮かべる。
ジェラールは左腕を抑えながら口を開いた。
「君達は・・・!?」
「!?」
「・・・」
「え?」
困惑するように呟かれた言葉にウェンディは小さく目を見開き、アランは俯いて沈黙し、ココロは首を傾げる。
(やっぱり、私達の事・・・)
(僕達の事・・・覚えてないんだ)
(ジェラール・・・)
7年も前の事だから仕方ないといえば仕方ないのだが、やはり恩人として覚えていた人間に忘れられているというのは辛い。
3人はそれぞれに俯き、少なからずショックを受けていた。
「ジェラールは記憶が混乱している・・・私の事も、君達の事も覚えていないらしい」
「オレの知り合い・・・だったのか?」
「え?」
「記憶喪失、って事ですか・・・?」
「そっか、それで・・・」
それを察したエルザが説明し、3人は納得する。
すると、そこにもう1人現れた。
「やっと見つけたぞエルザー!ん?ウェンディ達も一緒か・・・で、コイツ誰だ?」
「アルカ!」
それはエルザを探しに来ていたアルカだった。
楽園の塔事件に関わっていながらジェラールとの面識はないアルカはジェラールを見て首を傾げる。
「君は・・・?」
「オレはアルカンジュ・イレイザー。アルカでいいぞ。んで、お前は?」
「・・・ジェラールだ」
「!」
ザ・社交的な笑みを浮かべたアルカの表情が一気に崩れる。
記憶はないがエルザやミッドナイトが自分が犯した罪の事を語っていた・・・それだけあれば、自分が悪党か善人かなんてすぐに解る事。
崩れた表情に、ジェラールはアルカもまた自分の犯した罪に関わっているのだろうと察する。
(この人も、オレの犯した悪事に巻き込まれたのか・・・)
自然と俯く。
が、アルカが発した言葉はジェラールの予想を遥か斜め上に超えた。
「そかっ、ジェラールか。エルザと行動してるっつー事は連合軍の人間だよな?」
「え?・・・ああ、ニルヴァーナを止めようとは思ってる」
「よーしOKOK!こりゃあ随分と心強い奴がいるなァオイ!」
ポカン、とはまさにこの事だろう。
満面の笑みでそう語るアルカを、ジェラールは不思議そうな表情で見つめる。
―――――が、ここにいるメンバー全員は気づいていない。
(・・・ジェラール
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ