天馬から妖精達へ
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ちょっと可愛いからって調子にのっちゃってさ。バカでドジで弱っちいくせに、いつも・・・いつも一生懸命になっちゃってさ・・・〉
その声が震える。
シェリーの目に、涙が浮かんでいた。
〈死んだら嫌いになれませんわ。後味悪いから返事しなさいよ〉
語りかける声。
それは、クリスティーナの外からも発せられる。
「おい、ルー・・・とっとと起きろよ。お前はんなトコで寝れるほど睡眠不足じゃねーだろ・・・」
アルカがルーに語りかける。
若干言ってる事が違う気がするが、それでもいい。
倒れる彼等が起き上がれれば。
「聞こえてんだろルー!グダグダ言わずにとっとと起きやがれよクソがァァァァッ!」
ありったけの怒りと苛立ちと心配する思いを詰め込んで、叫ぶ。
その頬を、怒りと苛立ちと悔しさを詰め込んだ涙が伝った。
「ナツさん・・・」
「オスネコ・・・」
「ナツ・・・」
ウェンディとシャルル、エルザがナツとハッピーの名を呟く。
〈・・・っこのバカナツ!アンタの取り柄って言ったら無駄にバカで頑丈なトコだけでしょうが!こういう時にその頑丈さ発揮しないでどうするのよ!アンタはっ・・・〉
ティアが堰を切ったように叫びだした。
得意の毒舌と、不得意の他人を心配する思いを混ぜ合わせて。
届いていると信じて―――――叫ぶ。
〈私の知ってるナツはっ――――こんなトコで倒れて諦めるようなヤツじゃないっ!〉
それは怒り。
なかなか立ち上がらない事に短気な彼女は苛立ち怒り、その怒りが心配から来るものだとは全く気付かず、ただ思った事を叫んだ。
〈ナツ君・・・〉
意識が朦朧とする中、ヒビキは呟く。
〈僕達の・・・声が・・・〉
ヒビキが語りかけた、その時――――――――――
「聞こえてる!!!!」
苦しそうな複数の息遣いの音。
そして―――――皆の呼びかけに応えるナツの声が、頭に響いた。
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