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DAO:ジ・アリス・レプリカ〜神々の饗宴〜
第二十話
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きを纏った水晶たちは、心臓が鼓動するようにどくん、どくん、と脈打っている。

 その部屋の中央には、三本の剣が安置されていた。

 一本は、氷とも水晶ともつかない素材でできた、両剣と呼ばれる、柄の両端から刃の伸びる刀。竜の咢のようにも見えるその剣は、ゆらゆらと冷気にも似た何かを纏っていた。

 もう二本は、空洞のある岩石を鍛え上げた剣、という、同一の外見をしている。どこか翼のようにも見えるその剣は、うっすらと輝いていた。

「あれは……」
「この座標に封印されている《冥刀》、対剣《岩覇蒼炎(がんはそうえん)》と両剣《雪牙律双(せつがりっそう)》。零によって守護されていた《冥刀》だ。情報は発見されていたが、いまだ入手されていなかった剣だな。これで発見された《冥刀》は25本……事実上26本、か」

 ラーヴェイが言う。彼はそのまま《冥刀》の安置されている台まで歩いていく。三本の剣の前で立ち止まったラーヴェイは、くるり、と振り向くと、リーリュウに向かって言った。

「《岩覇蒼炎》は、もともとシリューレがお前のために手にしようと思っていた剣だ。奴自身には《冥刀》は不要だったからな……。来い、リーリュウ」
「……はい」

 リーリュウが、何かに導かれるように、ゆっくり、ゆっくり、と、対剣に向かって歩いていく。リーリュウが近づくごとに、《岩覇蒼炎》もまた、その揺らめく輝きを増していく。

 そして――――二刀が、リーリュウの腕に納まった。瞬間、剣に空いていた空洞から、真っ青な炎が噴き出す。まさしく《蒼炎》――――。

「……先生」

 リーリュウが二刀をかき抱き、どさり、と膝をつく。ちいさな嗚咽の声が聞こえた気がしたが、誰もそれを追求することはない。

「次は《雪牙律双》なのだが……この剣は、セモンに使ってもらおう」
「え……?」
「この中で両剣の使用経験があるのはセモンだけだ。ALOでの戦い、見ていたぞ」
「あ、ああ……」

 確かにセモンは、ALOでシャノン/陰斗の作ったバグ武器として両剣を使った覚えがある。まさか、あれを小波たちは見ていたのか――――良く考えれば、あの時シャノンのハッキングを妨害したのはレクトプログレスに雇われたボルボロだったはずだ。

「来い、セモン」
「……ああ」

 セモンは、その半透明に透き通った、一対の刃を持つ刀に近づいていく。その瞬間――――なにかが、語りかけてくる感覚がした。

 それは、言葉にはならない何か。けれど、決して、ただの音ではない何か。錯覚ではない。幻聴でもない。たしかに、聞こえる。その心を我に差し出せ。代わりに力を与えてやる、と、目の前の《冥刀》がささやく。

 この声に身を任せてしまえば、何もかもが終わる、という安心感が、セモンを包む。身を
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