DAO:ジ・アリス・レプリカ〜神々の饗宴〜
第十九話
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―――《瞬け変遷》!!」
自らの両手を起点として、何かが交換されていく気配。同時に、体内から何かを吸い出されていくような錯覚。恐らくこれが、MPを消費する時の、いわば《比喩的表現》なのだろう。
がしゃん、と音を立てて、世界の何処かが切り変わった。同時に、目の前の二本の刀が、急速にその輝きを失っていく。鮮血を讃えた真紅の刀は、濁った血の色に。穢れなき純白の刀は、輝きをともさない白さに。
「なに……!?」
零の表情が、初めて驚愕で歪んだ。
「くっ……」
距離をとろうとする彼の背後を、しかし鋼の大剣が阻んで退路を塞ぐ。深紅のエフェクトライト。大剣用重斬撃ソードスキル《ドラグニティ・ブレイク》が、零の背を切り付ける。さらに、幾本もの光の矢が飛来し、零の体を穿っていく。
「くあっ……」
「へへ。今まで出番無かったからな!!お返しだぜ!!」
「今まで暴れられなかった分、たっぷりと暴れさせていただきますよ」
カズが、ハクガが、各々の武器を構えて零を迎え撃つ。
「……先生の敵を、やはりとらせてもらう」
リーリュウが、双剣で零に斬りつける。しかし。
零の表情は、さほど変化しない。
「……なるほどな。愛刀二振りが無効化されたときはどうするかと一瞬焦ったが……なんてことはない。時間が経てば、元に戻る」
その言葉通り、しゅぅぅぅ、という気の抜けた音が鳴り、《東血桜》と《西肌雪》はもとの鮮やかな色を取り戻す。
「肌雪よ、咎人を切り裂け――――。血桜よ、咎人を貪れ――――」
先ほどリーリュウの水晶の鉄巨兵を破壊した時とは比べ物にならないエネルギーが、二本の《冥刀》に集っていく。
鮮血色の邪光と、純潔の白光がせめぎ合い――――
「《星斬流剣術・異の型一番―――”天切裂血金剛業”》――――すべて咎人は、此処にその心斃るるがのみ」
大気を斬り伏せて飛ぶ。フィールドオブジェクトが、木っ端みじんに吹き飛んでいく。
「うわわわわわ!?」
カズがあわてて身をかがめる。そのすぐ頭上を、殺神の神威が飛びずさっていく。ハクガが光の矢を盾に変える。何枚も重ねていなければ、一瞬で消滅させられていただろう。リーリュウは巻き起こした鎌鼬で、攻撃の威力を何とか相殺する。
「むぅ!?」
コクトは……なぜか優先的に耳をかばった。ちなみに直撃したのに体の方にダメージはない。
「なんでや!?」
思わず叫ぶカズ。まさかこんなシリアスな場面でギャグシーンが見れるとは……。セモン感嘆。
「……六門神でも、この斬撃をまともに受ければ死滅する
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