DAO:ジ・アリス・レプリカ〜神々の饗宴〜
第十九話
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番――――”月見夜血桜”》」
揺らり、と掲げられた《東血桜》が、恐ろしい速度で振り下ろされる。大気がひび割れ、雷の様な音が鳴り響く。
「ちりちりゐてつく、そはふゆのひのあはゆきぞ――――”冬牙雪爪”ッ!!」
コクトの《凍》が、それに迫る速度で閃く。一閃。二閃。まるで氷の獣が、その咢をとじた様な輝きが飛び散る。《東血桜》の血色の刀身が、《凍》の氷の刃とぶつかり合い、《魔力切り》を発動させる。《凍》の氷の刃は、少しずつ、しかし確実に破壊されていく。
「(……いまだ!)」
セモンはイメージを練る。
この世界では、六門魔術や武器などを使用するときに、ある程度イメージ力を媒体にして行動することができる。人工的な夢、とでもいうべき存在である、《ジ・アリス》及び《ドリーム・トランスレーター》のシステムが関連しているのだろうが、詳細はこの際流すことにする。
『いいですか、セモンさん。あなたの《六門魔術》の本質は、《変遷》……《再構築》です。あなたは、何かに備えられた《属性》を大きく変貌させることができる。今はほんの一瞬、たとえば刀の《斬撃属性》を《打撃属性》だけに変貌させたり、火属性の攻撃を一部だけ水属性に変えたり、その程度のことしかできません。しかしいつかは、世界そのものを塗り替えるだけの《再構築》も可能になる。そして、《再構築》で大事なのは、どんな姿に《変遷》させるかというイメージです。いいですか。あなたがどのような未来を望んでいるのか。それが大切になってくるのです』
ハクアが語った、セモンの六門魔術の《本質》。
それは、別の世界でなら《心意》とか《事象上書き》などと呼ばれる現象に近かった。さすがに、現象自体を全て崩し、再構築するのは今のセモンには無理だ。だが、多少の属性を変化させることなら、可能である。
そう――――たとえば、二本の《冥刀》を、一時的になんの力もないただの刀に変える、などとして。
「月見夜祭り、花吹雪――――《星斬流剣術・四の型十番――――”花依断御”》」
《西肌雪》が純白の閃光を放ち、《凍》を襲う。ガキィン!!という凄まじい音と共に、遂にその氷の刀身が砕けちる。同時に《凍》の《解放》も解除され、刀身がもとの黒銀色の金属に戻る。
そしてその瞬間。コクトが、こちらを一瞬見た。目が語る。――――いまだ、やれ、と。
踏み出す。何をすればいいのかが、不思議と頭の中に浮かんでくる。零の持つ二本の刀を、手でつかむ。ざしゅっ、という不快な音と感触。両手から血があふれる。だがそれを無視し、セモンは自らの《六門魔術》、その詠唱を唱える。
「変われよセカイ
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