第一章
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青はいつも休みになると気儘に遊ぶ。だがいつも帰って来る。だから彼も安心していたのである。
しかしこの時は違っていた。その青が何時まで経っても帰って来ないのだ。
「おかしいな」
チャイの方も心配になってきた。だがもう暫く待ってみることにした。
だがそれでも帰っては来ない。彼は石の上に座り込んだまま待っていたがやはり来なかった。
どれだけ経っただろうか。早く帰らなければ日が暮れる。そうなれば危険なのはわかっていた。山の中には虎や豹がいる。それに襲われたらひとたまりもない。蛇使いといえど生身の人間なのだ。
仕方なく彼は諦めることにした。立ち上がろうとする。だがそこで目の前の茂みがガサガサと鳴った。
「青か?」
返事はない。だがすぐに青が顔を出した。
「おう、何をしていたんだ」
チャイは青が出て来たのを見て安堵の息を漏らした。
「待っていたのだぞ」
だが青は当然ながらそれには答えない。そして答えるかわりにゆっくりと前に出て来た。
「帰るか」
青を籠に入れようとする。だがそこで青の後ろがまたガサガサと鳴ったことに気付いた。
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