暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜十一番目のユニークスキル〜
唯一無二の不確定因子
第二話 S級食材

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「リオン! 大丈夫か!?」


「ああ、すまない、キリト」


この黒髪に黒いコートを着た男は俺の数少ない信頼できる戦友だ。





「久しぶりだな、リオン」


「ああ、一か月ぶりだな」


「一か月ぶりだっけか? まあそんなことより珍しいな。お前が背後をとられるなんて・・・・・・疲れているのか?」


疲れているわけではない。少し遠い記憶に想いふけていたため背後からの殺気への対応が遅れてしまった。だが俺はそれを言葉にださずにごまかした。


「少しな・・・・・・キリトは今帰りか?」


「ああ、一緒に行くか?」


「そうだな・・・・・・キリト、このまま歩いて行かないか?」


「たまにはいいかもな。転移結晶は結構値が張るからな」


「ああ。じゃあ歩いて帰ろう。」





俺たちは74層の<迷宮区>を抜けたうっそうと茂る森を貫く小路を歩いていた。
不意に聞き覚えのない獣の鳴き声が聞こえた気がした。


「ん?」


「どうした? リオン」


「いや、いま鳴き声が・・・・・・」


二人とも<索敵スキルを>発動させる。
このスキルは熟練度が高いと隠蔽状態にあるのを見破る能力がある。
十メートルほど離れた大きな樹の枝かげに隠れているモンスターに視線を集中した。


<ラグー・ラビット>

その名前を見た瞬間息を飲み込む。
超がつくレアモンスターだ。


「・・・! S級食材だ!」


「キリト、<投剣スキル>今どのくらいだ?」


「そんなに高くないな・・・・・・」


「まあ俺が投げるよりはマシだろう・・・・・・たのむぞ」


ラグー・ラビットの逃げ足の速さは即知のモンスターの中で最速と呼ばれているので接近戦はほぼ不可能である。そのため、遠くからの先制攻撃以外に倒す方法はない。
しかし、俺は全くもって<投剣スキル>をあげていない。


「わかった。任せとけ」


腰のベルトから投擲用の細いピックを抜き、右手でピックを構える。


投剣スキル<シングルシュート>


梢の影に吸い込まれていき、一際甲高い悲鳴が届きーポリゴンが爆散する効果音。二人で手をたたく。


「よし! さすがキリト!」


「まあな! ところでこれだれが料理するんだ・・・・・・これ?」


二人とも頭を抱えた。しかし全く浮かばないので現実逃避も含めて言う。


「とりあえず、ねぐらに戻ろう・・・・・・」


「ああ、そうだな・・・・・・」


二人とも腰のポーチから転移結晶を取り出す。


「「転移! アルゲード!」」


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