第三章 [ 花 鳥 風 月 ]
三十六話 嵐去った後……
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が移り、警戒して凝視した後それが虚空さんだと気付き警戒を解いた。
僕達を確認し目の前に降りてきた虚空さんは少し不思議そうに尋ねてくる。
「どうしたの結界の外で?」
虚空さんの問いにルーミアさんが答えようと口を開こうとした時、突然自分の発言で消沈していたチルノさんが叫び声をあげた。
「あー!妖怪ヤロー!まだいたのか!」
「「「 えっ? 」」」
僕達が視線を向けた時にはチルノさんが両手を上げその先では三メートル近い氷塊が作り出されており、チルノさんは虚空さんに向けその氷塊を躊躇無く投げつける。
そして森に氷が砕ける甲高い音と虚空さんの悲鳴が響き渡った。
□ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■
「…ごめんなさい…。」
「いいよ、そんなに気にしてないから。あとルーミア笑い過ぎ」
氷塊を投げ付けてきたチルノの誤解を解くと意外なほど素直に謝罪してきたので僕はそう言って許しているのだが、さっきの僕の悲劇が余程面白かったらしくルーミアはお腹を抱えて笑っている。正直に言えば滅茶苦茶痛かった、こっちは笑い事ではない。結界の中へと戻りながらそんなやり取りをしていると綺羅が問い掛けてきた。
「そういえば虚空さん、大妖精さんは御一緒ではないようですがどうしたんですか?」
「あぁあの子は疲労で動けなくなっちゃったから家で寝かせてきたよ」
「大ちゃん倒れたの!大丈夫なの!」
綺羅に問われそう答えた瞬間にチルノが僕に飛びつき胸倉を掴み前後に激しく揺さぶってくる。大切な友人だからだろう相当心配みたいだ。
「お、お、落ち着いて、本当に寝てるだけだから。この後ルーミア達と一緒に郷に行って顔を見に行けばいいよ」
「うん!分かった!ルーミア!」
僕がそう言うとチルノは勢いよく僕を突き飛ばし今度はルーミアへと飛び掛るが流石はルーミア先生、飛び掛ってきたチルノの襟首を掴みその突進を止めてしまった。ちびっ子の扱いが手馴れてらっしゃる。
「全く少し落ち着きなさい。じゃぁ虚空私は郷に戻るけどあんたはどうするの?」
「僕は地子を送り届けてくるよ、流石にこれ以上先延ばしには出来ないしね」
「分かったわ、あぁそれと綺羅と百合の事なんだけど行く宛てが無い様だから郷に住ませてもいいわよね。」
ルーミアがそんな事を言ってきたので僕は綺羅の方に向き直りながら、
「そうなの?全然構わないよ」
と声をかけると何故か綺羅とルーミアは互いに顔を向き合わせた後声を上げて笑い出した。はて?何か面白い事を僕は言ったのだろうか?
「綺羅、言った通りでしょ二言返事だって」
ルーミアが笑
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