第1部
第1楽章 内乱
第2話 開幕
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そらく迫撃砲を使ってきたのだろう。短時間で展開可能な迫撃砲はゲリラ戦においてとても有利だ。
「コマンドポスト、こちらシアン2-1!!
敵が迫撃砲を投入してきた。歩兵部隊の損害が続出している。早く奴等を叩き潰してくれ!!」
【不可能だ。敵迫撃砲チームは逐次移動していて捕捉出来ない!
無人機の操作をそちらに送る。そちらで見つけ出して潰してくれ!!】
「了解……」
男は悪態を吐きながらタッチパネルを操作する。画面には赤外線映像の白黒画像が現れた。操作する機体はMQ-9リーパー無人攻撃機。米軍など世界各国が使用している優秀な無人機だ。装備はヘルファイア対戦車ミサイルのようだ。
画面いっぱいに廃墟の街が広がっている。所々で爆発と共に、黒煙が立ち上り、兵士達が銃撃戦を繰り広げている。男にはその様子が手に取るように分かった。
だが、今の男にはそんな事は関係ない。ただ、迫撃砲部隊を潰すだけだ。その時、パネルがショッピングモールだった廃墟の裏側を映し出した。そこには数門の迫撃砲を撃ちまくっているゲリラ部隊を確認した。男は躊躇無く、その部隊にレーザーを照射し、ヘルファイア対戦車ミサイルを発射した。
ミサイルは何の問題も無く、レーザーの照射されている場所へと向かっていく。そして、爆発。弾頭に詰められた爆薬が起爆し、爆風と共に熱せられた破片が周囲に飛散し、敵兵士達を切り刻む。
男はそれを見ても何の感慨も持たず、無人航空機をコマンドポストへと送り返す。
「コマンドポスト、こちらシアン2-1。迫撃砲部隊の排除を完了した。任務を続行する」
【了解、敵部隊にそこを突破されるな。奴等を叩きのめせ。コマンドポスト、アウト】
男はそのまま、通信を切ると、小隊の指揮に戻る。幸い、大した変化は無いようだ。まぁ、相も変わらずもぐら叩きが続いているという事だが。
その時だった。凄まじい金属音と共に車体が揺さぶられる。どうやら何かが戦車に直撃したようだ。モニターを覗くと、2両のMBT-2000戦車―――パキスタン軍の主力戦車であるアル・ハーリド戦車、もしくは中国製の90-UM戦車と言った方が分かりやすいかもしれない―――が瓦礫のそばから姿を現した。その後ろからも同型の戦車が続いている。
【警報、正面に敵戦車、ウワッ!!】
その通信が2号車の最後となった。爆音と共にレオポルド2PSO戦車が炎上する。ハッチが開き、兵士達が飛び出してきた。それを追う様に銃弾が走り抜け、戦車兵の一人が倒れる。撃ってきたのは敵歩兵のようだが、姿が見当たらず、逆に敵戦車が前に出てきた。
【クソッ、前進します!!!】
逃げる仲間を援護するように、4号車が前進する。
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