第4話 床の色の種類と人の色の数
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「2人共それはそれは酷い人間だ。なにせ私と似ている」
峰年は問題児の教師のような目で肩を竦めた。
「2人共ですか?」
「あぁ。とは言っても、各自得手不得手はあるがな……それで、凌霄のきょうだいは姉の他にいるのか?」
「いえ、2人姉妹です」
「そうなのか。……」
「そうですね。それで、節黒先輩は?」
葉蓮は顔を仙翁の方に向けた。
「僕?1人っ子だよ」
「そうなんですか」
「やっぱり、きょうだいがいると1人っ子に憧れるもんなの?」
「昔は色々思ってましたけど、もうなんとも感じませんね。いた方がいいとか、いない方がいいとか」
葉蓮は空を見上げた。
「たまにはな。吐き出すのは溜め込みたくないからだし」
峰年は両手を頭の後ろにやった。
「ふぅん」
仙翁が流すような反応をしていると、そういえば、と峰年がポツリ呟いた。
「明日の行動予定を練らねばならない。あれだけ予告しておいて何もしないというのもなかなかに味のある行為だが、それをするのは人生の賭けだ。ここは素直に行こうと思う」
峰年は歩きながらゆっくりと言った。
「でも、先生がそこを張ってる可能性も0じゃないよね?」
仙翁は峰年の顔を見た。
「ありえなくはないけど大丈夫でしょう。流石にそこまで教師も暇じゃないと思います」
「大丈夫だと思うけど、念の為その対策は考えておいた方がいいんじゃない?」
「そうだな、生徒達が危険な組織が結社するのを阻止するのは教師の仕事だ」
峰年は冗談めかして言った後、
「それに、当事者としてもその説は否定出来ないのだよなぁ」
初めて困ったような顔つきをした。
「そうなると、先生側から干渉されるかもしれないね」
「そこで仙翁の力を借りるわけにはいかんからなぁ」
峰年は空を見た。空は自分勝手にカラッと晴れている。
「どうする?話し合う?」
仙翁は2人を見た。
「そうだな、仙翁の家に行こう。凌霄は予定あるか?」
「堕落するっていう予定があります」
「そうか、じゃあその予定を遅らせてくれ。堕落なら仙翁の家でも出来る」
「そっすね」
葉蓮はそこで仙翁の方を向いた。
「じゃあ、お世話になってもいいですかね?」
「うん、いいよ」
仙翁はにっこり微笑んだ。
「よし、では各自準備をしてから仙翁の家に集合」
「はい、了解」
「分かりました」
「用があってここに来た」
「はい、いらっしゃい」
峰年は手を洗うと居間の扉を開けた。
「それで、例の物は用意してあるか?」
「おやつとゲーム以外が必要なら今から用意するけど」
「……いや、いい」
峰年はそう言いながらクッションに腰掛けた。
居間には白い布のかかった正方形に近い形のテーブルが1台置いてあり、その周囲にはパステルカラーのクッシ
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