旧校舎のディアボロス
兵藤一誠
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などと呼ばれ、覗きの常習犯であり、学園から問題児として扱われている彼では納得が行かない。行くはずがない。
いくら致命傷を受けて救命が必要であり、死ぬ直前に簡易魔方陣のチラシによってリアスが召喚されたとは言え、面白くない。
自然と表情が険しくなってしまう。
まあ、いざとなればトレードに出してもらえればいい。眷属を集めていない方とトレードを行えば、再び兵士を選ぶことができる。
彼と視線が合った。
僕は兵藤一誠から視線を外し、教室を目指して歩き出す。
翌日の放課後。
「やあ」
僕は今日、兵藤一誠を訪ねていた。
半眼で僕を睨んでくる兵藤一誠に対し、僕は目を細める。
廊下や、兵藤一誠の教室の各所から黄色い歓声が上がっているが気にしない。
「で。何の御用ですかね」
面白くなさそうに兵藤一誠が言う。
「リアス・グレモリー先輩の使いできたんだよ」
―――不本意だけどね。
「……OKOK、で、俺はどうしたらいい?」
「僕についてきてもらう」
先程まで黄色い声を上げていた女子たちから悲鳴が上がる。
「そ、そんな木場くんと兵藤が一緒に歩くなんて!」
「汚れてしまうわ、木場くん!」
「木場くん×兵藤なんてカップリング許せない!」
「ううん、もしかしたら兵藤×木場くんかも!」
僕は女子達の声に小さく溜息を吐いた。
「あー、わかった」
兵藤一誠が了解する。
僕は会釈もせずに振り向き、足を進める。
「お、おい、イッセー!」
変態三人組の一人が兵藤一誠を呼び止める。
「心配するな、友よ。決闘とかじゃないから」
「これ!『僕と痴漢と時々うどん』をどうするんだ!」
そう言ってDVDを掲げる坊主頭の男子生徒に、僕は軽蔑の視線を向けた。
兵藤くんは天を仰いでいた。
兵藤一誠を引き連れ、校舎の裏手に向かう。
木々に囲まれたそこには旧校舎と呼ばれる現在は使用されていないことになっている建物がある。
僕達オカルト研究部はその旧校舎の一室を使い、活動している。一室などとは言うが、実質的に校舎全てを使い、管理している。
外観は木造で古いが、ガラス窓は一枚も割れておらず、壊れた部分はほとんどない。
使い魔達が、だが頻繁に掃除をしているため埃一つない。
僕達は無言で二階建ての木造校舎に入り、階段を上って二階の奥まで歩みを進める。
目的地に辿り着き、僕はとある教室の前で足を止めた。
戸には『オカルト研究部』と書かれたプレートがかけられている。
困惑した様子の兵藤一誠を放置し、僕は戸をノックする。
「部長、連れてきました」
引き戸の前から確認すると、「ええ、入ってちょうだい」とリアスの声が聞こえてき
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