第二章
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第二章
「そしてその分をです」
「お花や虫にですか」
「わかりましたね。それでは」
「はあ」
キャロルも今の王女の言葉には頷くしかなかった。王女は明朗闊達だが何処か頑固なところがあり一度決めたらそれでいく性格だったのだ。それに建築の費用は確かに国庫を圧迫しかねないものだったのでそれを抑えるということは有り難いことだった。何はともあれ王女の号令で様々な花に芋虫達が集められていった。
「とりあえず花は集めたな」
「ああ、虫達もな」
民衆は国を埋め尽くさんばかりになったその花や虫達を見ながら言い合った。
「とりあえず虫は葉っぱでもやって」
「何か桑食う虫もいるな」
彼等はそういった虫にも気付いたのだった。
「何だこりゃ?」
「変わった虫だな」
彼等はその桑の葉を食う虫を見て顔を顰めさせていた。しかし王女はその話を聞くとその桑の葉を食べる虫達だけでさらに集めさせたのだった。
「その虫達には桑を食べさせ続けるのです」
「その虫達にだけですか」
「そうです。見つかりましたね」
キャロルに対してこう言って微笑むのだった。
「やはり。我が国にもいました」
「あの、その虫が何か」
「ただ虫達を集めているわけではないのです」
王女はさらに言ってきた。
「ただそれだけでは」
「といいますと?」
「とにかく。その虫には桑の葉を食べさせ続け」
「はい」
「花は咲かせ続けるのです」
花に対しても命じた。
「そして他の虫達は」
「どうされるのですか?」
「餌をやってそれで育てるのです」
他の虫達も育てるというのだった。
「いいですね。全ての虫達をです」
「ですがそれをしたら国中虫だらけになりますよ」
「結構なことです」
いぶかしむ顔になったキャロルと反比例してその顔をさらに頬笑まさせる王女だった。まるで全てがわかっているかのように。
「是非。そうして下さい」
「はあ。それでは」
こうして花は咲かせられ虫達は育てられた。所々で花が育てられ咲かされて虫達が餌をやられていく。すると程なくしてこの国のことが周囲の話題となるのだった。
「花が多い奇麗な国だそうだな」
「一度言ってみるか?」
花が多いことが話題になってきて周辺の国々はおろか遠い国々からの注目を浴びだした。そうしてその花々を見たいと思った観光客達が集まりだしたのだった。
この国に入った観光客達はまず驚くことになった。実際に国中が様々な色や形の花々に覆われていたのだ。それはまるで夢のような光景だった。
「凄いな、花が多いとは聞いていたけれどな」
「ああ、薔薇にチューリップに」
それ等だけではなかった。
「菊に梅に桜に。菖蒲もあるぞ」
「こっちにはさつきだ」
「紫陽花もあるぞ」
様々な花が本当に咲き誇ってい
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