暁 〜小説投稿サイト〜
SAO 〜冷厳なる槍使い〜
SAO編
第一章  冒険者生活
8.裁縫職からの依頼
[8/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
緒に来ることになった。何でもわたしらと同じぐらいの弟妹がいるらしく、放っておけないとかなんとか。
 そんなバートさんは、今は青いツナギの上に、ごっつい全身鎧を着て(ヘルメットは流石に外しているが)、これまたごっつい両手斧を肩に担いでいた。

「重たくないんですか?」

 わたしも言おうかなと思ったこと――ガチャガチャと金属の擦れる音のする如何にも重そうな様子に、ネリーが訊いた。

「確かに重いけどね。ぼくみたいなプレイヤーは、一人だとこの方が効率が良いんだ」
「そう、なんですか?」
「うん。ここまでの戦いを見てきたけど、キミたちの動きは凄いね。とてもじゃないけど、ぼくにはマネ出来そうにないよ。ぼくは自分のプレイヤースキルに自信が無いからね。だから、重い装備で防御を固めて、同じく重い武器の威力に任せた範囲攻撃で一片に敵を倒す、という方法をとってるんだよ」

 そう言って、両手斧を振るような仕草をするバートさん。
 あまりにも大振りな攻撃以外は、基本避けるという考えはないそうだ。
 今の需要は、堅く防御力のある金属装備が、布や革装備よりも主流らしい。でもそれも頷ける話だ。HPがゼロになれば死んでしまう(かもしれない)のだし、しかもプレイヤーの大半が初心者。
 軽いゆえに相手の攻撃を避けやすいがその分ハイリスクの伴う布革装備。
 重く動きは遅くなるが確実に防御力が上がる金属装備。
 どちらがより初心者向きか、言うまでも無いと思う。なにより、金属の堅いというイメージが安心感も持たせる。
 というわけで、布や革装備オンリーのプレイヤーは一部だけらしい。
 攻略するでもなく、武器素材を集めるでもなく、布革製防具の素材のみを集めていたというバートさんには、一緒に狩りをするような仲間を見つけることも出来ず、今まで一人(・・)で頑張るしかなかったらしい。

「あれ? そういえば、もう一人居るって言ってましたッスけど……その人はどうしたんスか?」

 ふと疑問が上がる。まだ姿は見ていないけど、確かにさっき《もう一人居る》と言っていた。
 その人に協力してもらえば、一人よりは格段にマシなんではないのか。
 そんなわたしの質問に、バートさんは困った顔をした。

「あー……彼女はちょっと……」
「あ、女の人なんですかっ?」
「もしかして、バートさんのイ・イ・ヒ・ト♪ なんスかっ?」

 ずずっとわたしとネリーがバートさんに詰め寄る。
 なんか、こういう話に反応してしまうのは女の子としてはしょうがない、うん。
 バートさんはそんなわたしたちに一歩下がりながら慌てて言ってきた。

「違う違うって、彼女とはそんなんじゃないんだ……っ」
「じゃあじゃあ、どういう関係なんですか?」

 現在では珍しい《裁縫職人》であり
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ