SAO編
第一章 冒険者生活
8.裁縫職からの依頼
[7/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ながらわたしたちに名乗ってきた。
「はい。酒場の掲示板を見て来ましたっ」
バートさんの問いにネリーが答える。
そして軽く自己紹介と、依頼をこなせるレベルかを確認してもらってから本題に入ってもらった。
「もう察しが付いているかもしれないけど、ぼく……と、もう一人奥の部屋に居るんだけど、ぼくたちは裁縫スキルを専攻しているんだ。今まではぼくが素材の調達も兼ねていたんだけど、特に仲間が居るわけでもないから、やっぱり一人じゃ限界がきてね。最新の素材を、というとキツくなって来たんだ。そこで、代わりに調達をしてくれる高レベルプレイヤーを探していたんだ」
言いながら少しだけ開いた瞳には、何処か真剣さが滲んでいるような気がした。
「……確か、《フラッフ・オウル》の落とす《コットン・フェザー》を最低百個、ということでしたけど――」
レイアが依頼の内容をバートさんに確認する。
「うん。フラッフ・オウルはレベル8の飛行型モンスターで、レベルとHPはあんまり高くないけど、戦闘が始まると周囲の同種とリンクして攻撃してくるし、なにより普段は手の届かない空を飛んでる。攻撃の瞬間だけしか下りてこないから、投剣スキル以外でこちらの攻撃を当てれるのもその時じゃないとダメだし……まあ、投剣スキルもかなり熟練度が高くないと当てられないかもしれないけど」
目的のモンスターであるフラッフ・オウルの特徴を教えてくれるバートさん。
その最後にボソッと呟いた事について、わたしは訊いた。
「わたしらは全員、投剣スキルって持ってないッスけど、そんなに当たりにくいんスか?」
「当たりにくいのは投剣だけじゃないけどね。何せフラッフ・オウルは…………《夜にしか湧出(POP)しない》んだ」
ザッザッ、と背の高い草を踏みしめる音が響く。
既に周りの木々は闇色に染まり、手に持ったランタンの意外と強い光を頼りに前へと進む。
コットン・フェザー収集依頼を正式に受けることに決めたわたしたちは、日が沈む時間を待って赤焼けの街から外に出た。
ぐねぐねした獣道を進んで、現れるモンスターを蹴散らしながら、目的地である三層西部の森へと向かう。
「でも、バートさんも一緒に来るんですね。てっきりあたしたちだけで行くのかと思ってました」
ふとネリーが一番後ろを歩くバートさんへ振り返って言った。
「うん。最初は任せるつもりだったんだけどね。やっぱり危険の伴うクエストだし、いくらぼくよりレベルが上だからって、年下の君たちだけに行かせるのは、年長者として……ちょっとね」
苦笑しながら頭を掻くバートさん。
バートさんは今、わたしらのPTに入っている。始めはわたしらだけで行く予定だったけど、話をしているうちに一
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ