暁 〜小説投稿サイト〜
SAO 〜冷厳なる槍使い〜
SAO編
第一章  冒険者生活
8.裁縫職からの依頼
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と言っていいほど依頼はなかった。鍛冶スキルを習得しているプレイヤーは基本、武器の修理や強化を中心に行っているので、鍛冶プレイヤー自身が素材を依頼してまで欲するということはそうそうないのだ。
 その代わり、なんていう武器防具を売って欲しいとか、一時PT募集などの書き込みはかなり多かった。

「んー、なになに? 『第三層西部の森に生息する《フラッフ・オウル》からドロップする《コットン・フェザー》を最低百個、出来ればそれ以上集めて下さい。報酬は要相談。お請け下さる方は三層主街区西南にある《水梨亭》二階三号室にて詳細をお話致します。』だって。…………って、最低百個!? うーん、ドロップの確率次第じゃかなり時間かかるかもねー」

 依頼内容を読みながらネリーが眉を寄せた。確かに百個は一見キツそうだ。
 でも、逆にわたしはその依頼に興味が出てきた。
 素材の名前からいって、これは武器関係の素材じゃないっぽい。防具、しかも布系のものかもしれない。
 わたしたちはあまりゴテゴテした金属製の防具を好まない。見た目的にも重さ的にも。
 だから、店売りの布革製の防具を一通り揃えたけど、ハッキリ言って…………こっちも地味でダサい!!
 いくら女子が圧倒的に少ないとはいえ、これはあんまりだ。

 ――生死が懸かってる? そんなこと言ってる場合じゃない? 言われなくてもわかってるッスよ。でも……そんなの関係ぇねえ――ッ!!

《かわいい》は全てに優先する。とわたしのおばあちゃんも言っていた。イヤ、マヂデ。
 せめてスカート。出来ればミニスカ求む。野暮ったいレザーパンツはもうこりごりッスよ……。
 そんなことを考え出し始めたら、いつのまにか、わたしは三人を説得していた。

 ――もしかしたら依頼人は裁縫スキル持ちかもしれない。
 ――防御力高くて、かわいい防具を作ってくれるかもしれないっ。
 ――今の内に生産職の知り合いを作っておくほうがあとあと便利ジャマイカ!?

 ということを次々とぶつけるように三人に言うわたし。
 多少強引だった気がしないでもないけど、ちゃんとみんなの合意を得て、この依頼を出した人に会いに行くことになった。







「はじめまして。ぼくは《バート》。……えーと、キミたちが依頼を受けてくれる、ということでいいのかな?」

 五分ほど歩いて到着した宿屋《水梨亭》。二階に上がり三号室と書かれたプレートの部屋をノックすると、キリュウさんより頭二つは背の高い大きな体に青いツナギを着た、だけど気の弱そうな印象の糸目のお兄さんが現れた。
 中に入れてもらうと、六畳ほどの部屋に丸テーブルと、椅子が四つ置かれていて、更に奥にドアが見える。
 バートと名乗るお兄さんは、わたしたちを椅子に座らせて、一人だけ立ち
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