DAO:ジ・アリス・レプリカ〜神々の饗宴〜
第十八話
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俺達以前にも貴様と戦った六門神がいたような口ぶりだな」
セモンと全く同じ疑問を口にしたのは、《凍》を構えたコクトだった。零は彼の方を向くと、そう、といった。
「かつて、一人の六門神が、無謀にも俺を倒し、神器を手にしようとした。確か名は……《シリューレ》、といったか」
「何……!?」
「シリューレ、だと……」
その名に反応したのは、コクトと、そしてリーリュウだった。なぜリーリュウが……と疑問に思って、すぐに思い出す。
以前、コクトの話をカズに聞いたとき、リーリュウが自分の師匠のことを少しだけ話してくれたのだ。大分前に、《適合者》の資格をはく奪された、と……。
彼(もしくは彼女)の名前は、たしかシリューレ、といったはずだ。第四階梯の六門魔術使い。
「貴様が……貴様が先生を殺したのか……?先生から資格をはく奪したのは、貴様だったのか……!?」
リーリュウが、わなわなと身を震わせ、問う。しかし零は、全く表情を変えない。
「奴はただ、俺の目的に従って討滅されただけだ。六門神たる資格を失ったかどうかなど、俺の知ったところではない……どうした、風の六門神。復讐でもするのか?」
「……いや。先生はもう《適合者》の資格がなくてもいいとおっしゃっていた……だから、俺が復習をする必要はない。だが……」
リーリュウは、虚空から美麗な笛を抜出し、叫んだ。
「先生の遺志を継ぐ必要が、俺にはあるッ!!――――大地よ、汝が朋友の声を聞け!」
リーリュウが笛を――――彼の《ギア》である、《暁を呼ぶ笛》を吹き鳴らす。どこか哀切なメロディに導かれたかのように、洞窟を構成する岩やクリスタルが、ごと、ごと、と音を立てて、人の形を取り始める。零は、それを面白いものを見るような色を宿した、しかし表情は変わらない顔で、眺めていた。
完成したのは、水晶と岩石でできた、全長二メートル超に迫る、巨大なゴーレム。
「――――行けッ、水晶の鉄巨兵!!」
『――――』
リーリュウの命を受けて、ゴーレムが動き出す。ごごん、ごごん、という重厚なサウンドが、ゴーレムが踏み出すたびに響き、洞窟内を揺らす。
しかし――――
「……所詮は、第二階位か……」
零は、全くの無表情。その目にあった色は、もはや興味をなくした、と語っていた。
「肌雪よ、咎人を討て――――」
零の左手がひらめく。そこに握られた《西肌雪》が、ぎらり、と剣呑な輝きを纏う。
「血桜よ、咎人を吸え――――」
零の右手がひらめく。そこに握られた《東血桜》が、ぞくり、と邪悪な光を放つ。
「《|星斬流剣術
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