DAO:ジ・アリス・レプリカ〜神々の饗宴〜
第十八話
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の二刀の正式な持ち主……そして、この洞窟の番人とは、恐らく奴本人のことだ」
「え……!?」
零が、番人……!?ならば、なぜ彼は自分たちを此処へと導いたのだろうか。それは、直後に説明された。
「来い、神器を求る者達よ。汝らが血肉を我が刀へと吸わせんと、我は欲する。汝ら、我が刀の血肉となさん……だったか。どうした?六門神。来ないならば俺が行くぞ」
急に口調が機械的な物から、砕けた者に変わった……その瞬間。零の姿が、ヴン、と音を立てて掻き消えた。
「!?」
どこへ行った――――!?そうセモンが考える間もなく。
「がはっ!?」
カズが悲鳴を上げる。いつの間にか、その背後には赤い刀を振りぬいた零が。カズの背中から、鮮血が噴き出る。加えて、よく見るとなにか半透明の、黄色いものが……
「しまった!魔力切り……」
「魔力切り?」
「そうだ。《東血桜》は、切り裂いた相手の魂を削る。六門神における魂は、魔力に直結する。故に、《六門魔術》が使えなくなる……。同時に、HPも継続的に切り裂かれる……まずいぞ。早急に《東血桜》の《解放》を止めなければ……」
どさり、と倒れたカズの刀傷から、魂だというそのエネルギーが、血と共にびしゃり、びしゃり、と飛び散る。ハクガが治癒の魔術を掛けるが、なかなか傷口がふさがらない。
「くそっ……」
コクトが、腰の鞘から《ギア》たる《冥刀・凍》を抜き放つ。目には目を、歯には歯を、《冥刀》には《冥刀》を。
こんなにあせったコクトさんを見るのは初めてだ、とセモンは心で呟きながら、刀を既定の位置に構える。非常に使い勝手のいいソードスキル、《猛閃》で、零に向かって突進攻撃を仕掛ける。しかし……。
「……異界の《剣技》ごときで、俺を打倒せると思っているのか?」
セモンの一撃は、零の体に触れる前に掻き消えた。
「何……!?」
「それ故に――――たまらなく、はかない。《冥刀・西肌雪》、《解放》」
しゃりぃぃぃん、と涼やかな音を立てて、純白の刀が抜かれる。それは、かすむような速さでセモンを打ち……あっけなく、その胴を切り裂いた。
「ガハァッ!?」
生まれてから、初めて味わうほどの純粋な痛み――――視界がくらむ。かすむ。体中が冷たくなる。ただ、切り裂かれた部分だけが熱い。
「がはっ、ぐぅ、あっ……」
「……つまらないな……貴様らもこの程度か」
「……な、に……?」
セモンは、零に目を向ける。二本の刀を構えた少年は、今、「貴様らも」といった。つまり、かつて自分たち以外にも《冥刀》を手にしに来た者たちがいたというのだろうか……。
「……その口ぶりは、まるで
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