第3章 聖剣の影で蠢くもの
第25話 ロストメモリー
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を起こす力のことを『神器』と呼ぶ。お母さんも神器を宿していた」
懐かしそうに語る父。
神器?と首をかしげる娘に、すごい力のことだ、と噛み砕いて説明する。
おかあさんはすごい人だったんだね、と目をキラキラさせる姿をみて、心が温かくなる。
「お母さんが宿していたのは、癒しの神器。その名前は――――」
◇
ボク、八神はやては、困惑していた。
「あ、はやてちゃんじゃない!」
振り返ると、そこにいるのは栗毛の少女――紫藤イリナが、気さくに声をかけてくる。
なれなれしい姿に、一瞬腹がたちそうになるが、それよりも疑問符が浮かぶ。
声をかける様子は、明らかに知人にむけるそれだ。
海外生活による欧米流の親しみを込めた挨拶かと思ったが、それも違うようだ。
「あー。えっと。どこかであったかな?」
(どういうことだ?なぜボクを知っている。記憶にないだけで、どこかで会っているのか?)
思わず間抜けな受け答えをしてしまう。
紫藤イリナ――原作ヒロインの一人で、天使陣営に所属している信心深い(深すぎて若干盲目気味な)少女である。
隣の蒼髪に緑のメッシュをいれた少女――ゼノヴィアも同様である。
白いローブの正装を着ていることからも、分かるように、教会の任務でこの地へきている。
彼女たちに与えられた任務は、聖剣エクスカリバーの奪還。
(たしか、紫藤イリナが人工の聖剣使いで、ゼノヴィアは天然の使い手だったか。ゼノヴィアはデュランダルという高性能の剣の使い手でもあったはず)
聖剣エクスカリバー。ブリテンのかの有名なアーサー王が所持したという伝説の剣。
7本に別れ、教会に保管されていた――以前までは。
そのうち3本が、堕天使陣営に盗まれ、この地に持ち込まれているらしい。
そこで、教会から派遣されてきた追跡者が、紫藤イリナとゼノヴィアの二人だ。
彼女たちは、分かたれた聖剣のうち一本ずつ所持・使用可能な実力者である。
(聖剣エクスカリバー、か。紫藤イリナとゼノヴィアの剣からは、以前、強い力を感じられた。7分割されてさえ、あれだけの力。時空管理局なら、喜んでロストロギア認定しそうだな)
一応、悪魔陣営の庇護下にある以上、天使陣営に所属する彼女たちとは、接触を避けてきた。
情報は、リアス・グレモリーたちやサーチャーから、知ってはいた。
が、直接会うのは今回が「はじめて」だった。
しかしながら、なぜ、紫藤イリナは、自分に親しげに声をかけるだろうか。
たしか、彼女は、兵藤一誠の幼馴染だったはずだ。
ボクとの関連性はない。
「ええー!?久しぶりにあった幼名馴染みなのに、酷いじゃない。紫藤イリナ、
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