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剣の丘に花は咲く 
第三章 始祖の祈祷書
第四話 錯綜する思い
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脇を通り過ぎ、そのまま物置小屋から出て行ってしまった。
 物置小屋に残されたのは大量の崩れ落ちたガラクタと……服がめくり上がったまま呆然とした表情でルイズを見る士郎と…光が全く見えない目を士郎に向けて、無表情で入口に立つルイズの姿だけであった。
 
 ギィギィと段々とルイズが開け放ったドアが閉まっていく中、それに合わせ入口に立つルイズの顔に影が差していく。

 ―――ゴクッ―――

 ドアがギィギィと鳴って閉まる中、士郎の唾を飲み込む音が異様に大きく響き渡る。
 
 バタンっ! とドアが締まる音が鳴り響くと、ルイズは顔を俯かせた状態で士郎に近づき始めた。

 カツカツとルイズの足音が近づくごとに、士郎の直感が逃げろと金切り声を上げるのだが、士郎はまるで蛇に睨まれた蛙のように動けなかった。

 カツンッ! と士郎の目の前で立ち止まったルイズは、顔を上げて士郎を見ると、にっこりと可愛らしく笑ったあと、士郎に向けて杖を構える。
 可愛らしく笑いながらも、先程のシエスタとはまた違った『イっちゃった』目をしたルイズを見た士郎は、力なく物置小屋の汚れた天井を見上げると、諦めが混じったため息を吐きながら呟く。

「ははっ……はぁ……なんでさ……」
 
 士郎がため息を吐くと同時に、ルイズがボソリと呪文を唱えた瞬間、物置小屋の半分が吹き飛んだ。





 その後士郎は、物置小屋にやってきたキュルケが発見するまで、ズタボロになった状態でほったらかしにさせられていた。
 
 

 


「はぁ……だから誤解だと言っているだろルイズ」
「ふ〜ん」
「だから聞いてくれよルイズ……」
「ふ〜ん」
「はぁ……」

 その日の夜、ルイズの部屋で士郎が必死にルイズを説得していた。
 しかし、ルイズは士郎の説得に曖昧な返答をするだけだった。その様子を見てため息を吐いた士郎は、どうしたらルイズを説得できるのだと考えていると、ルイズの部屋にキュルケが入ってきた。
 
「なっ! 何よキュルケっ! ノックもなしに入ってくるなんて礼儀知らずねっ!」
「まあ、いいじゃないルイズ。それよりルイズ、あなた宝に興味ない?」
「? どういうこと?」
 
 急なキュルケの言葉に、ルイズは訝しげな顔をすると、それを見たキュルケは懐というか胸の谷間から羊皮紙の束を取り出してルイズに見せる。

「これよこれ、実は宝の地図とやらを手に入れてね、今度探しに行こうと思って……それで今度一緒に行かない?」
「残念ね。わたしには大切な用事があるから行けないわよ」
「そう、それは残念ね……じゃ、じゃあっ……」

 ルイズに断られたキュルケは、全く残念な顔をせずに頷くと、バッと士郎に振り向き、頬を染めて士郎に話しかける。

「な
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