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剣の丘に花は咲く 
第三章 始祖の祈祷書
第四話 錯綜する思い
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それに足を引っ掛けてしまった。

「えっ?」

 歩き出した時の勢いが良かったためか、シエスタは体が前に倒れそうになり、そのため、引っ掛けてしまった足を咄嗟に前に出してバランスを取ろうとしたことから、足に引っ掛けてしまった紐の先にあるものを動かしてしまった。

「あっ?」

 急に顔に影が落ちてきたことから、顔を上に上げると、沢山のガラクタが詰め込まれた棚がシエスタに向かって倒れていく。
 シエスタは自分の今の状況が全く把握出来ず、呆然と倒れてくる棚を見つめていたが、何か温かいものに包まれたかと思った瞬間、まるで雷が落ちたような轟音と共に衝撃が走り、ホコリが天井まで舞い上がる。
 



「っ! ……あ……あれ……痛くない?」

 覚悟していた衝撃がやってこず、不思議に思ったシエスタは、おずおずと顔を上げると、いつかのように士郎に抱きしめられた状態になっていた。その今の自分の状態に気付き呆然とするシエスタを、士郎が心配そうに見下ろして声を掛けてきた。

「っ……。シエスタ無事か?」
「………」
「シエスタ?」

 士郎は何も反応しないシエスタを訝しげに見て、もう一度声を掛けると、シエスタは慌てて返事をした。
 
「はっ、はいっ! わっわたしは大丈夫ですっ……あっ! しっシロウさんのほうこそ大丈夫ですかっ!? ああっ!!??」
 
 慌てて士郎から離れたシエスタだが、士郎が怪我したかもしれないと思い直し、離れた時以上の速さで士郎に駆け寄った。だが、そのせいでまたも足元がおろそかになったシエスタは、足元に転がっていたガラクタに足を取られ、勢いそのままに士郎に向かって飛び込んでいく。

「っ!? しっ、シエスタッ!」
「きゃあっ!」 

 士郎は飛び込んできたシエスタを抱きとめようとしたが、先程シエスタを助けた際、体勢が崩れていたことと、飛び込んできたシエスタの勢いが思っていたよりも強かったことから、シエスタを支えきれずシエスタに押し倒されるような形で倒れてしまった。

「っ……大丈夫かシエスタ?」
「ほっ、ほほ本当にすみませんシロウさんっ! けっ、怪我とかしていませんかっ!? え……」
「ちょっ! ちょっとシエスタっ何してんだっ!?」
 
 士郎を押し倒すような形になったシエスタは、度重なる失態にパニックに陥ったのか、慌てた様子で士郎の服を捲くりあげながら怪我がないか確認し始める。しかし、パニックに陥っていたシエスタは、士郎の服を捲り上げた瞬間、目にしたものに驚き我に返った。

「な、なんですか……この傷……」
「ん? あっ、ああ。まあ、今までいろいろあったからな……まあ、俺の未熟ゆえの傷ばかりだがな」
「シロウさん……」
「しかし、シエスタ。この前風呂で俺の傷に気付かなかったの
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