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Element Magic Trinity
ゼロ
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「んがっ!」

エルザが6人目の六魔将軍(オラシオンセイス)であるミッドナイトを倒したのとほぼ同じ頃。
王の間の真下の部屋にて、ナツ達は苦戦を強いられていた。

「な!」
「グレイ、前!」
「ぐはっ!」
「うあっ!」

相手の名はクロドア。
六魔将軍(オラシオンセイス)であるはずなのに『7人目』、しかも杖なのに喋るというツッコみどころ満載の相手だ。
そして杖相手にナツ達は苦戦している。

「ナツ!グレイ!ルー!」

頭突きを喰らって吹き飛ばされていく3人にルーシィは叫ぶ。
そこで、ふと違和感を感じて振り返る。
すると―――――

「ほう」
「きゃあああああああっ!」

いつの間にかルーシィの背後に回り込んでいたクロドアが、ピロンとルーシィのスカートを頭の飾りで器用に捲り、下着を覗き込んでいた。

「ヘンターイ!」
「き、貴様ぁっ!僕もう怒ったよぉっ!」
「ハハハッ」

慌ててスカートを抑えて殴りかかるルーシィの拳と、怒りを大爆発させたルーの拳をクロドアは軽い動きで回避する。

「小娘の下着など見ても萎えるわ」
「ひどっ!」
「んぎゃ!」

そして逆に頭突きを決められた。

「こいつ・・・」
「棒切れのくせに」
「憎き棒切れめ・・・」
「やらしい奴・・・」
「大丈夫?ルーシィ」

まさかの杖相手にここまで苦戦するとは思わず、ナツ達はクロドアを睨みつける。
・・・ルーの場合は一瞬にしてクロドアを憎んでいるが。

「む」
「!」
「六魔が・・・」

すると、クロドアが何かに気づいたように表情(って言っていいのか解らないけど)を歪める。
レーサーは爆弾の魔水晶(ラクリマ)を使うがグレイ、リオン、シェリー、ティアの4人のうち1人も殺せず、結果として自爆。
エンジェルはヒビキの機転でルーシィが知識を得た超魔法『ウラノ・メトリア』を前に敗北。
ホットアイ・・・リチャードは善の心を持ちミッドナイトと戦うが、屈折(リフレクター)を攻略出来ず敗北。
コブラはナツとココロの叫びに耳をやられ、ブレインに肩を打ち抜かれた。
ミッドナイトは自身の魔法の弱点をエルザに見抜かれ、敗北。
ブレインはジュラの圧倒的な魔法の前に敗れた。

「全滅!?」

ここにいる7人目であるクロドアを除いた六魔将軍(オラシオンセイス)の6人。
その6人は1人残らず、連合軍に敗北した。

「いかん!いかんぞ!」

クロドアの表情に怯えが混じる。
その口からポロッと加えていた玉が落ちた。


「あの方が・・・来る!」


クロドアの表情が恐怖に歪む。

「あ?」

尋常ではない怯え。
発せられた『あの方』という言葉に、グレイは首を傾げた。





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