ゼロ
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れたなァ。マスターとして、オレがケジメを取らしてもらうぜ」
肩に毛先が乗るほどの長さの白髪を揺らし、不気味に笑う。
その男の名は『ゼロ』。
ブレインが封印するほどに凶悪な人格であり、六魔将軍のマスターだった。
「こいつが、ゼロ!?」
「燃えてきたろ?ナツ」
「何・・・この魔力・・・ファントムのジョゼなんか忘れちゃうくらい・・・不気味だよ・・・」
「こんな気持ち悪ィ魔力、初めてだ・・・」
ナツ達は数々の相手と戦ってきた。
ある時は奴隷商、ある時はモンスター、ある時は権力者、ある時は禁忌魔法を使おうとしていた闇ギルド、ある時は不死身の悪魔の封印を解こうとしていた集団、ある時は昔から仲の悪かったギルド、ある時はゼレフに魅入られた理想論者、ある時は暴走するギルドメンバー・・・。
その経験からか否か、ギルドでも最強チームと呼ばれている。
聖十である男の相手をした事のある人間もいなくはない。
それほどの戦いを経験してきたナツ達は・・・震えていた。
ただゼロがそこに立って、自分達と向かい合っているというだけで、その体から放たれる不気味な魔力に震えていた。
「そうだな・・・まずはこの体を痛めつけてくれたボウズから・・・消してやる」
ゼロの目は、ナツ達の後ろを向いた。
そこには、大爆発からナツ達を守り1人で受け止め、気を失っているジュラがいる。
「動けねえ相手に攻撃すんのかよ、テメェは!」
「動けるかどうかは大した問題じゃない」
それを見たグレイはジュラを守るように立ち、造形魔法の構えを取る。
「形あるものを壊すのが面白れェんだろうが!」
笑みを浮かべて叫ぶ。
その右手から怨霊のような不気味な魔力を放った。
「盾!」
すぐさま氷の盾を張り、グレイはその魔力を防ごうとする。
が、氷の盾はバキバキと音を立てていく。
「オレの盾が!?こんな簡単に・・・」
数秒も持たない。
圧倒的な魔力を前に、グレイの氷の盾に亀裂が入っていく。
「ぐああああああっ!」
盾が完全に破壊された。
その勢いを止める事なく襲いかかってきた魔力に、グレイは吹き飛ばされる。
「!」
右手を構えたままのゼロの懐に、ナツが入り込む。
炎を纏った左拳でゼロを殴ろうとするが、ゼロは素早く体を捻って回避する。
「ぐああぁぁぁああ!」
回転するようにナツの拳を回避したゼロは、ナツの顔面に裏拳を叩き込む。
その威力はかなりのものであり、それを喰らったナツは壁へと吹き飛ばされた。
「っ貴様アアアアアアアアッ!」
「!」
鋭い弾丸がゼロの横を駆けた。
ゼロは軽く身を逸らす様にして避け、目を向ける。
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