ゼロ
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地鳴りがする。
小さく、徐々に大きくなっていく音が響く。
そして、ブレインは目を覚ました。
―――――――その目を、赤く染めて。
「あわわわ・・・」
「何だっていうんだよ」
震えるクロドアにグレイが問う。
すると、クロドアは震える声で話し始めた。
「ブレインにはもう1つの人格がある」
「!?」
「僕と同じだ!」
ルーシィが目を見開き、ルーが叫ぶ。
「知識を好み“脳”のコードネームを持つ表の顔と、破壊を好み“無”のコードネームを持つ裏の顔」
「ゼロ!?」
「あまりに凶悪で強大な魔力の為、ブレイン自身がその存在を6つの鍵で封じた」
「それが六魔将軍!?」
「って事は、ブレインが倒れた時にブレインの顔の線は消えたのは鍵の封印が解けたからって事!?」
珍しくルーが冴えている。
クロドアは震える声で続けた。
「生体リンク魔法により、6つの“魔”が崩れる時・・・“無”の人格は再び蘇る・・・」
そう言い終えた瞬間、クロドアがぞわっと震えた。
圧倒的な何かが空間を覆い尽くし、震えながらクロドアは爆発によって部屋に大きく開いた穴に目を向ける。
そこには――――人影が1つ。
「お・・・おかえりなさい!マスターゼロ!」
それを見た瞬間、クロドアは人間で言う土下座のように地面に頭を付ける。
「マスター!?」
「ブレインじゃなかったんだ!」
穴に目を向けたナツ達も目を見開く。
ルーシィとルーが呟いた。
「随分面白れェ事になってるな、クロドア。あのミッドナイトまでやられたのか?」
「はっ!も・・・申し訳ありません!」
その髪の色と服装は、確かにブレインだった。
が、その声は荒々しく、その目は赤く、放たれる気迫が与えるのは恐怖一色、肌は1度も日の光に当たった事がないかのように白い。
ガタガタとクロドアは震えながら頭を下げる。
「それにしても、久しいなァこの感じ。この肉体・・・この声・・・この魔力・・・全てが懐かしい」
男の口角が上がる。
軽く力が込められた左腕。その手首から魔力が薄く迸る。
「後はオレがやる。下がってろ、クロドア」
「ははーっ!」
そう言いながら、男はばさっとブレインの服を脱ぎ捨てる。
そして全身に魔力を纏い、換装系の魔法の要領で服を着た。
軍服調の緑に似た色合いの服を纏った男は、口を開く。
「小僧ども」
ハッピーが震える。
ナツとグレイが睨む。
ルーシィが目を見開き、ルーが唇を噛みしめた。
そして・・・男は、口角を上げる。
「ずいぶんとうちのギルドを食い散らかしてく
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