第十一話 想う
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のだ。
自分を中心として、周りに光るものが見える。その光は敵意があるものは赤色に、それ以外は緑色に見える。あくまでも、何となくのイメージだけど、それがアタマのなかで勝手に作られるのだ。それは集中すればするほどはっきりと見えるような気がする。
「攻撃部隊はたぶん、前後挟まれてる。」
「お前が言ってた通りになったってことか。つまり、俺達は攻撃部隊に奇襲を掛けようとしていた敵に見つかり、攻撃された・・・そういうことだよな。」
カタナが僕に確認するように問いかけてくる。
「たぶん・・・そうだと思う。」
状況的には最悪だ。
敵は僕が考えていた通りに前線の攻撃部隊を迂回し、後背に出て、奇襲を掛けようとした。僕たちはその奇襲しようとしていた部隊に突っ込んだような形だろう。いや、そもそも補給線を叩くつもりだったかもしれない。丸一日戦っていた部隊に補給するのは当たり前だ。補給が来ることは予想出来ていただろう。補給線を叩きそのまま攻撃部隊の後背から奇襲をかける。僕ならそうする。
敵は補給線を叩き、攻撃部隊の後背から奇襲、そして川を挟んで対峙していた部隊を一気に総攻撃させた。味方は浮き足だっただろう。油断していたところに完璧なアッパーを食らったのだから。まだ、総崩れになっていないだけマシだ。
ん?そういえば他の皆はどうした?
うちの隊長や第79小隊の皆は。
首をブンブン回して周りを確認する。
不安な気持ちが戻ってきた。
僕たちは無事だった。でも、だからと言ってほかの皆が無事とは限らない。落ち着いた心臓の鼓動がまた忙しなく動き出す。
あの青い炎が他の皆も守ってくれただろうか?
いや、信じがたい。そもそも、あれは僕の意思じゃない。
どうなっているのか分からない。
「イナリ?どうした?」
首をブンブン回してるのが気になったのか、カタナが質問をしてくる。
「二人とも、隊長や79小隊の皆は見た?」
声が大きくなる。
「!? そういえば見てない!」
二人も僕と同じ現実に気づいたのか、首を回して確認する。
・・・ここから見える範囲には居ないようだ。
そもそも、視界もいいほうではない。
移動しようか、そう考えた時だった。
「あれ?まだ生きてるやついるじゃん。」
後ろから、声がした。
はっとして後ろを振り向く。
そこには岩隠れの忍が4人立っていた。
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