第十一話 想う
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の勘違いだったら、二人が死んでいたら・・・怖くて怖くてしょうがなかった。
よく見ると、ハナの身体を揺すっていた手は震えていた。
「くそ、身体がバカみたいに痛いな。」
カタナが身体を起こしながら悪態をついている。
カタナは大丈夫そうだ。
よかった。
「ハナ? 大丈夫?」
まだ横たわっているハナを揺する。
「・・・い」
ん?何か言っている。
ー刹那、
僕の顎目掛けて、アッパーが飛んできた。
そして、見事に・・・クリーンヒット!
「がはっ!」
顎に強い衝撃を受けて、耐えきれずにそのまま後ろに倒れこんだ。
「痛いって言ってるでしょーが!バカちん!」
ハナが・・・叫んでる。
顎を擦りながら起き上がる。
「痛い、痛いよ ハナ。」
「 イナリが悪い。どー考えたって悪い。」
じとーっとした目で ハナが僕を見ている。
よかった。大丈夫そうだ。
うん、二人とも大怪我はしていないし、比較的問題ない。
心から安心した。
暖かくて、柔らかい気持ちが自分の心の中に広がっていくのがわかる。・・・本当によかった。
「わっ、ちょっと何で泣いてるの、イナリ?痛かった?」
ハナが心配そうな声をあげる。
気づくと頬を熱い何かが流れていた。
あれ?何で・・・・。
安心して、油断しちゃったかな。
何だかそんなのが可笑しくなってきて・・・
「ふふふ、ふはは!」
笑い出してしまった。
それを見た二人は最初はびっくりした様子だったけど、すぐに笑い出した。
「「「ふふ、ふははは!」」」
三人で笑っていた。
お互いが生きていて、安心して、笑ってしまった。
よかった。
ドォン!
少し向こうで爆発が起きた。
そうだった、まだ終わったわけじゃない。
まだ、何かに襲われたままで、何も解決していなかったことを思い出す。
「何?何が起きたの?」
ハナが爆発した方を見ながら口にする。
「戦ってる?そんな感じに見えるな。くそ、土煙で視界が悪い。」
カタナも爆発した方を凝視している。
もうもうと昇った土煙が少しずつ落ちてきていて、視界が非常に悪い。先程の爆発で、その周りが吹き飛んで少しだけクリアになったが、それでも視界が悪いのには変わらない。空もその土煙のせいなのかとても薄暗い。
「味方と敵が戦ってる。たぶん、前線の攻撃部隊だ。」
僕が答えた。
「分かるのか?!」
「分かるの?!」
ハナと カタナが声を揃えて聞いてきた。
「何となくわかるんだ、何となくね。はっきりとじゃないけど。」
そう、何となく分かる。
自分の頭のなかにイメージが出来る
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