第十一話 想う
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てんのか!?」
イライラが頂点に近づいていく。
くそガキは反応しない。
まるで俺の言葉など聞こえないかのように、周りを見渡し続けている。
「お前の言ってた事は間違ってただろうがぁ、あぁ!?何ともなくここまで着いた!違うか?!」
もう、けっこう我慢の限界だ。
急にくそガキが俺の方を見る
「あさのは隊長!何か・・・敵が来ます!何となく、分かるんです!」
あぁ?何を言ってんだ、こいつは?
戦場の恐怖でとうとう頭イカれちまったか?
「お前、頭とろけちまったか?」
もはや付き合ってらんねーと思いながら言った。
その直後だ。
急に眩しい光が地面から飛び出して、自分の足元が少しずつ盛り上がるのがわかった。
そして次の瞬間には、
地面が爆発した。
とてつもない身体の痛みと熱を感じ、とっさに身体を丸め込んだ。それと同時に目を開けていられなくなり、ぎゅっと力を込めて閉じた。
な、何だ!?
くそ、何も分からねぇ、痛てぇ!
しばらくして、
強烈な全身の痛みで目を覚ました。
まだ、目がしっかりと開けられず、しかも少し開けるだけとてつもなく眩しく感じた。それでいて、耳はキーンという音が鳴り響いている。
くそ、なんだ?
何が起きた!?
眩しくて目も開けれねぇ。
耳も耳鳴りがひどくて何も聞こえねぇ。
どうなってんだ!?
そうこうしているうちに、少しずつ視界が開けてきた。
ゆっくり、ゆっくりと目を開けたそこに、映っていたものは・・・・・
大きなクレーターだった。
もうもうとクレーターの中心から煙が上がっている。
なんだ・・・これ?
さっきまで森だったところに大きなクレーターができている。
頭が現実の状況に理解が追い付かない。
ふらっと身体を支えられなくなり、その場にペタリと座り込んだ。
べちゃ
ん?
何か座り込んだ時に手がなにかの液体を踏んだようだ。
首をゆっくりと回してそちらを見た。
そこには腕があった。
腕だけがあった。
血の池を作り、その中心には、手から肘までしかない腕があった。
同時刻 暁の森
ふしみイナリ
太陽はその明るい光を撒き散らしながら、昇っている。
周りがよく見える。
もうもうと土煙が立ち昇っている。
一体どれほどの高さまで昇るのか、もう何十メートルもの高さまで立ち昇っている。
せっかく昇った日の光を土煙が隠そうとしていた。
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