ヘルヘイム編
第18話 7分の6の現実 A
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んてイヤよ」
ただの感情論、ただのコドモの屁理屈なのに。光実の頭には碧沙を言いくるめられるだけの言葉が浮かばなかった。
「……だったら僕も行く。女の子二人きりじゃ危ない」
「だめよ。だって光兄さんが守りたいのは、舞さんたちでしょう? 兄さんは舞さんのそばにいてあげなきゃ。自分のキモチに、ウソつかないで」
光実はつい離れた舞たちを顧みる。――不安げにこちらを見つめて目を離そうとしない舞。世界で一番、幸せでいてほしい人。
手を取り合って碧沙と咲が駆け出した。一歩を踏み出したが、その後が続かなかった。
小さな背中に光実は堪らず叫ぶ。
「碧沙!」
「じゃあね、光兄さん。また後で」
妹は、光実とまた会えると全く疑わない笑顔で、光実の手をすり抜けて行った。
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