過去を振り返り、思い悩むこと
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二年前、私は日本の何処かで産まれた何処かのお嬢様でした。何処かと言うのは私は“外”を知らなかったから。私にとって、家と学校、そしてその窓から見える景色が全てだった。学校は幼少の頃から勉学はもちろん、ピアノ等の楽器類、合気道や槍術の護身術。・・・一番恐ろしかったのは当時の私は何も疑うこともなく、それを苦とも思わずにただ毎日を当たり前のように過ごしていた。
「玲奈、次のレッスンよ」
「はい、母さん。その後は家庭教師が来ますよね?」
「ええ。・・・いいかしら、玲奈?あなたはとても優秀な子よ。・・・ちゃんと、頑張りなさい」
「はい。じゃあ行きます」
そんな日が続くなか、中学二年生の夏のある日・・・
「・・・」
私は教室の隅で高校で渡されるであろう教材を呼んでいた。
「おい、神無月?」
「え・・・?」
話し掛けてきたのはがさつなクラスの女子。・・・この学校は、確かにいい学校だけど、親に無理矢理受験させられたりしていて表向きはいい子でもこうやっと雑に過ごす人もいた。
「あの・・・」
「アンタさ、何時も教科書とにらめっこしてて楽しいの?」
女子は目の前の席に座り、私と相向かいになる。
「えと・・・楽しいとかじゃないですけど・・・やっぱり当たり前のことですから」
「勉強が当たり前って・・・あんた、変な考えしてるわねぇ。人間最低限の学力と当たり前な常識を持ってれば生きていけるわよ」
「そうですか?でも、勉強は大事ですよ?」
「よく真顔で言えるわねそんなこと・・・息抜きとかしてないの?ゲームとか漫画とか」
「?・・・ゲーム?まんが?」
「・・・まさか、知らないの」
「はい・・・」
女子の顔がひきつる。
「さすが、送り迎え付きのお嬢様は違うわね・・・あんた、まさか外に出たことないとか言わないよね?」
「ありませんけど・・・」
「・・・あー・・・」
頭を掻いて・・・立ち上がった。
「ちょっとそこの男子ー。そのPSPなにやってんの?」
「うわ、綾香じゃないか。また人からパクる気かー?」
「人聞き悪いこと言うなっての。んー?アイマスやってんの?」
「たまにはいいだろー?つかお前も知ってんだろ」
「まあね。やれるもんなやる主義だし。とにかく貸しなさいよ。どうせアンタは全キャラやったんでしょ?」
「まあね。てーかお前も持ってんじゃん」
「あたしじゃないわよ、神無月にやらせんの」
「は!?神無月さんに!?」
「あの、迷惑でしたら構わないんです。というか何をしようとしてるのか解らないんですけど・・・」
「いいから貸しなさいっての」
「・・・ったく、知
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