第6章:女の決意・男の勘違い
第28話:知ってたけど知らないふり
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
人と天空人では全然違うのに?」
どうやらビアンカさんの美しさは神の域にまで達していたようで、天空人のルーシアさんは戸惑っていたみたいです……よし、そう言ってリュカさんにお世辞を言おう!
「な、何を言ってるんだいルーシア君!? ビ、ビアンカは人間だよ。天空人と近しいわけないだろ!!」
出遅れました……スマートにお世辞を言おうと間を開けたら、何やら慌てたリュカさんに阻まれ、何も言えなくなってしまいました。
「ど、どうしたんですかリュカさん?」
「そうよ、どうしたのリュカ……急に慌てて?」
しかしリュカさんの慌てっぷりがおかしく、ビアンカさんもルーシアさんも不思議そうです。
「べ、別に慌ててないよ! ただビアンカは人間だって事を言いたかっただけさ!」
本当に何を慌ててるんでしょうか?
ビアンカさんが人間なのは、言うまでもなく当たり前の事なのに……こうも慌てられると、逆に疑いたくなりますね。
「……ああ、そっか! リュカは私が天空人の血を引いてる事を知ってるのね!? だからそれを暴露されないように否定してるんでしょ。もしかしてお父さんから聞いたの? 何だ……知ってるんだったら言ってくれれば良かったのに(笑)」
「あれ!? ビ、ビアンカは自分の出生を知ってたの?」
「うん勿論。実の親が誰なのか話知らないけど、お母さんが死ぬ前に教えてくれたわ……私は拾われた娘だってね」
何と!? こんな状況ではありますが、とんでもない事実が判明しました!
「何だぁ……僕もお義父さんもビアンカが知らないんだと思い、気を遣って秘密にしてたのに」
「リュカが私に隠し事をするなんて珍しいわね。うふふっ、でもありがとう……気を遣ってくれて?」
もっと隠すべき事柄は他にあるのだろうに……リュカさんとビアンカさんは抱き合いながら見詰め合っている。
「あ〜ら……じゃぁ私にとってお祖父ちゃんは本当のお祖父ちゃんではないって事ね? 今後は“お義祖父ちゃん”と呼ぶべき?」
ご両親が互いの秘密事でイチャイチャするのに飽きたらしく、笑いながら自分との関係性を言葉で表すマリーさん。
「馬鹿者! お祖父ちゃんはお祖父ちゃんだろ、ビアンカにとってダンカンさんは父親なのだから、僕にとっても同じだ……冗談でもそんな事を言うんじゃない!」
抱き合いながら娘の失言に激しく叱咤するリュカさん。
きっとマリーさんは、物事の重大性を理解できない性格なのだと思います。
口には出しませんが、ご両親の教育に問題があったのでは?
トルネコSIDE END
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ