SAO編
第一章 冒険者生活
Ex1.鼠の思惑
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
第一層迷宮区最寄の町、つまり第一層での最後の町である《トールバーナ》。
移動に次ぐ移動で、そろそろやばくなった装備を修理するため、私(・)はこの町に立ち寄った。
正式サービス開始当日――茅場明彦による《ソードアート・オンライン》デスゲーム化宣言からもう十三日が経つ。
私を含め、利己的で自己中心的な生粋のゲーマーは、誰よりも先んじてリソースの専有化に走った。今ではかなりレベルも上がり、装備も充実していることだろう。
――だけど、足りないな。
第一層のボスは、ベータテスト時代のとおりならば、斧と円型盾(バックラー)を持ち、腰には人の身長ほどもある湾刀を携えた巨大な亜人型、《コボルトの王》。更にその周りには強力な護衛たちもいる。
奴を倒すには、誰よりも先んじて行動した現在のトッププレイヤーたちだけでは圧倒的に戦力が足りない。そして、それは彼らにも十分に解っていることだろう。
VRゲーム初心者らしい《はじまりの街》に籠っていた者たちも、段々と行動を開始し始めているようだけど、そいつらがボス戦に臨めるようになるのは最低でも、まだ一週間以上先のことだと思う。私なりに、初心者(かれら)には一応の援助をしてはいるけども、それでも時間はそれなりに掛かると踏んでいた。
そんな考えもあり、迷宮区最寄の街であるこのトールバーナには、まだ誰も来ていないだろうという予想をしていた。
――して、いたんだけどネー……。
「あたし、ルネリーっていいますっ。こっちがレイアで、そっちがチマです。そして、この人があたしたちのリーダー、キリュウさんです」
「……よろしくお願いします」
「よろしくッス!」
「…………宜しく」
「あア、よろしくナー」
私がトールバーナの中央広場に足を踏み入れたとき、人の声がして思わず驚いた。
この町にプレイヤーが来ていたことに対してではない。もちろんそれも多少はあるが、何よりその聞こえてきた声が、《楽しそう》だったからだ。
デスゲームとなったSAO。いつかはそんな状況にも慣れて笑える日も来るだろうとは思っていたけど、まさかこんな最前線で笑い声が聞こえるとは思いもよらなかった。
私は興味を引かれ、声の主を探した。
それはすぐに見つかり、そして更に驚いた。何故なら四人いた彼らの中の三人は女の子だったからだ。
しかも若い。私も年の割に若く見られがちだけど、彼女らは本当に若い。恐らく中学生ぐらい。茅場晶彦により、プレイヤーの多くは現実の姿にされた。そして、SAOみたいなネトゲにいる女性プレイヤーの多くは、その大半がネカマ、つまりは男が性別を偽っている。
ロールプレ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ