暁 〜小説投稿サイト〜
SAO 〜冷厳なる槍使い〜
SAO編
第一章  冒険者生活
Ex1.鼠の思惑
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りは情報源となるトッププレイヤー自体が減っているのだ。
 あと少しで完成というこの攻略本も、初心者たちが活動範囲を広める前に配布出来るようにしなければ意味は無い。
 だから、私はこの子たちに提案した。
 手持ちの情報の調査を。
 ここまで来れたという事は、かなり腕が立つことは解る。
 更にこのお人好しさ。正直、あまりおおっぴらに顔を出せない私にとって、それは都合が良い。
 私は、《ベータテスト経験者》だ。
 ベータテスターに不満を持つビギナーが多い中、それを気にしなさそうな人というのは非常にありがたい。
 この四人、特に少年と茶髪の女の子――キリュウとチマと言ったか――は、かなり私の話を疑っているようだった。
 それでも、あれだけ情報をさらけ出しといてだと、こちらとしては今更感ばりばりで、正直笑いが込み上げてくる。
 まあ、あれだ。結局のところ、私はこの子らが気に入ったんだ。

 ――手助けをしたい。

 と思ってしまうくらいに。








 そうして色々と説得して、協力という形に落ち着ける事が出来た。
 まだまだ信頼、とまではいかない関係だけど、まあそこは商人としての腕の見せ所。これから信用を重ねて行けば良いことだ。

「……フフ、また面白い知り合いが出来たナー」

 顧客、でもないな。協力者、と言った方が正しいかな。
 変な関係になってしまったが、不思議と後悔はなかった。

「……さて、そういえばもう一人の変な知り合いはどうしたかナ?」

 私はベータテスト時代からの知り合いの事を思った。
 名前を見てもしやと思ったが、会ってみてお互いにはっきりとした。今頃は他のトッププレイヤーと同じく、自己強化に励んでいることだろう。

「…………よしっ」

 彼らは、思惑は違えど、自分に出来る事をしている。
 だったら私も、自分に出来る事をしよう。

「今日も今日とテ、情報あっつメ〜♪」

 私は再び、はじまりの街へと続く道を走りだした。







 それから二週間と少し経った。
 私たちがSAOにログインしてから一ヶ月、といったところか。
 今日は第一層迷宮区、その最上階にいるボスに挑戦する日だ。
 ……いや、戦いは既に終わった。
 ボス戦に参加していた知り合い何人かに今まさに報告を聞いていた。
 どうやらベータテスト時の知り合い――あの《キリト》が大活躍をしたらしい。色々な意味で。
 私はキリトに祝勝のメッセージを送ろうとフレンドリストを開いた。

「…………あ」

 そして、キリトの名前のすぐ下にある名前を見て、彼らのことを忘れていたことに気付いた。

・Kirito
・Kiryu ←

 そういえば、五日前に最後に連絡
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