暁 〜小説投稿サイト〜
SAO 〜冷厳なる槍使い〜
SAO編
第一章  冒険者生活
Ex1.鼠の思惑
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とは目じゃないくらいには。
 この子らもきっとその類だ。
 利己的なゲーマーと違い、まだゲームをゲームとして楽むことの出来る純粋さ。そして何も知らないでここまでこれるほどの高いプレイヤースキル。
 私はそれを、――《面白い》と思った。








 私は初心者援助として、第一層各地の情報を《攻略本》という形で提供しようとしている。実際には道具屋で委託販売を考えているけど。
 色々と思うところがあって、一部の者以外には《0コル》で提供する予定だ。まあ、建前は初心者援助だし。
 でもその為には、ただベータテスト時代の情報を流出するだけではダメだ。SAOに限らず、今までプレイしてきたネットゲームの幾つかも、ベータと正式サービスでは細部が微妙に変わっているものもあった。つまりは、現在私が持っているベータテスト時のSAOの情報が正しいかどうかを調べなくてはならない。
 今日までは何とかなった。先行したプレイヤーたちに上手く聞き出したり、手持ちの情報で交渉したり、知人から買ったりと、想像していたよりもスムーズに情報の収集や、ベータ時代との差異の補完が出来た。

 だけど、これ以降は難しいだろうと思う。
 理由は多々あるが、一番の理由は……。

 最初に街を飛び出したプレイヤー――恐らくその殆どが《元ベータテスター》であろう者たち。彼らはその知識と経験を生かしたスタートダッシュで、多くの利を得た。しかし、それは両刃の剣であることに彼らの多くは気付かなかったのだ。








 二週間ほど経った現在、解っているだけでも既に五百人以上が死んだ。
 初心者たちの何人かはこう言う。

『経験者であるベータテスターが自分のことしか考えてないから、こんなに多くのプレイヤーが死んでしまったんだ! 悪いのはベータテスターだ!』

 つまり、経験者が初心者の面倒を見なかったから、五百人以上も死んだ……と。

「巫山戯るな……っ!!」

 と、そいつらに言ってやりたい。

 私の調べによれば、死者の半分は、その元ベータテスターだ。
 彼らには知識と経験があった。だが、同時にあるものが無かった。
 それは、SAOの現状を現実として受け入れる心、といったところか。
 こんな状況で先走れる奴らだ。しかも経験者。
 そんな奴らが、「このゲームで死んだら本当に死にます」と言われて、それを現実的に考えることなんて出来るのか? ベータテスター全員が、一度以上このゲームで死んで、《生き返って》いる。
 死ねばまた生き返れる。無意識に死ぬことに関して緩くなってしまうのも無理は無い。
 私も、少し前まではそうだった。実際に人が目の前で死に、そして生き返ってこないのを確認するまでは……。

 話は反れたが、つま
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