SAO編
第一章 冒険者生活
Ex1.鼠の思惑
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イングゲームなのだからその行い自体に問題は無いが、姿が戻ってしまったことにより、女性プレイヤーが激減してしまったのも事実。割合としたら男女で9:1ぐらいか。
しかし彼らはどうだ。PTの内の大半が女の子。しかも若い。
黒一点である少年もこれまた若い。大学生には見えないけど、高校生ぐらいか。でも全体的に若いのは間違いない。
どうやら中央広場に面するカフェテラスで談笑しているらしい。
「…………っ」
その明るい雰囲気に、私は惹かれた。
いきなりゲームから出られないって言われ、周りは打ちひしがれるか自己保身に走るか。
私自身、保身に走った身だけど、やっぱりときどき、無性に人恋しくもある。自己利益だけを求めるのに疲れることもある。
だから私は、その子たちに声を掛けようとした。
その雰囲気の中に、私も入りたくて。
でも、人と共にいたいという思いと一緒に、軽々と人を信じるな、という考えも持っていた。
人ってのは何でもアリだ。情報屋というものをやってるとよくわかる。
相反する二つの思いに、結局私は――オイラは、いつもどおりにしようと思った。
「ほーウ。もう、こんなところまで来ているプレイヤーが居たとはネ〜」
いつもどおり、《アルゴという名の仮面》をかぶって、話しかけたんだ。
彼らの話を聞くと、どうやらこの四人は初心者の集まりだったみたいだ。
でもそれも納得のいく話ではある。名前、レベル、装備、それだけではなく訊いた質問にどんどん答えて行ってくれる。
SAOってのは、たかがプレイヤーの名前ひとつ教えるだけでお金を貰えるような世界だ。
そしてそれは、コアゲーマーなら誰もが知っている。
ここまで明け透けに教えてくれるというのも、他の者から見ればバカ丸出しの行為だ。
でも私は、こう思った。
――きっと、この子らは信じられないほどお人好しで、バカで……そして、純真で無垢だ。
初めて会ったプレイヤーに自分の情報をさらけ出す。それがどんなに危ないことか、解っていない。
まるで子供……って、子供だったね、そういえば。
如何に自分がすれているかを自覚させる鏡のような子たちだ。
――でも……。
そんな初心者のこの子たちが、こんな最前線まで来ているという事実。
しかしそんな疑問も、話を聞くうちにだんだんと解って来た。
――要するに、プレイヤースキルが物凄く高いってことか。
特に、この無表情の少年。現実の実家は武術の道場をしているとか。
VRゲームは、知識や経験がなくとも、身体操作の能力がずば抜けているとそれだけでスタートラインはだいぶ違う。引きこもりのメタボなんか
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