ストライカーズ編!
笑顔の般若
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紡ぐもの。
「種目は・・・内乱。城内で起こった小さな火種が業火となる。慌てた国王と女王は・・・」
「殺し合う」
楽しそうに、愉快そうに、嬉しそうに笑う、嗤う、哂う。
「避けてっ!」
道筋に沿うように春香は秋良に向け、魔力弾を撃つ。
「っ!___!」
身体の自由は奪われていても能力までは制限できず、魔力弾はかき消される。
それどころか、サバイバルナイフを構えて春香に向かって走り出す秋良。
そう、これは一方的な戦いではなく、殺し合い。
お互いがお互いの命を奪い合うもの。
私は固く目を閉じ、深呼吸する。
「結局殺し合いは相討ち。二人仲良く死にましたとさ」
「__」
それぞれの攻撃が当たるかと思われたが、秋良の言葉で消え去る。
「あともう少しだったのになぁ。第三幕、舞」
失敗なんかしてないというような表情で次に進める。
舞は簡単。
永遠に踊り続ける。
・・・地獄で、ね。
迫り来る地獄の門番、鬼。
鬼は金棒を片手に二人を殺そうとしてくる。
それを避けるために踊るように逃げ回る二人。
しかし敵は鬼だけではない。
番犬ケルベロス。
魔王サタン。
他にも数多くの敵がひたすら二人を殺そうと追いかける。
この舞が終わるのは、二人が舞うことができなくなるまで。
死ぬまで終わらない、最悪の踊り。
「第四幕、歌劇」
地獄の中に歌が流れる。
それはまるで天使の子守唄。
心安らぐ歌。
踊りに疲れた人を、天使が迎えに来るのだ。
天国へと招き入れ、そこで幸せに暮らす。
中には天使になり、人々を救う者もいる。
二人は天使へとなり、数多くの人々を助けたのだった。
しかし。
「最終幕、終焉」
幸せを妬んでしまった二人は純白の翼をもぎ取られ、神から見放されて堕天する。
そして救った人の数だけ人を呪う、悪魔へと成り代わる。
悪魔は自我を失い、友を、家族を、恋人を喰らう。
そして我に返ったときにはもうだれもいなくなっている。
悲しみに暮れた悪魔は生きる意味を失い、自害する。
「閉幕ご静聴、ありがとうございました」
そこで輝希の魔法は終わる。
春香と秋良の目からは光がなくなり、死んだような目をする。
それに対して輝希の表情はとてもにこやか。
輝希の状態をみた誰かが話をし、それを気になった人が見てまた誰かに話す。
そんなことを繰り返すうちに輝希はこう呼ばれるようになった。
「笑顔の般若」
と。
いつしかそれは二つ名となった。
「あはっ、もう終わりかなぁ?春香ちゃんに秋良くん、大丈夫ー?生きてるー?」
蚊のようなちいさな声で何かを言ったきがするが、私のとこ
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