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第一話
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やにやにや……なにを考えているのかさえわからず、本当に不気味。
ははっ、とハルトは笑ってから、「そうだ!ユリアちゃんに頼もうかな?カモミールティ」と呟いた。
まだ続いてたの……その話。
半ば呆れ、ため息をつく。
「そうだなぁ……」
ハルトはいきなり腕を組み、なにかを考え出した。
「じゃあリリィちゃん、そこらへんに使ってない、決して使われてないわけではないけど、今使っている人がいない机、あるよね?それを一つ一つ布巾で拭いていってくれないかな?ついでに花瓶の花も取り替えてくれると嬉しいな。今の季節の花は……そうだね、チューリップなんていうのもいいかもね。あとで僕がユリアちゃんに頼んでおくよ」
いきなりドドっと頼み事をしてくるから、嫌。
返事をせずに、作業に取り掛かる。
まずは布巾をとってくる。それから丁寧に一つ一つ拭いて、それから花瓶に挿されている花を捨て、水を替え、新しい花が来るのを待つのみ。
合計10分くらい。
もう慣れた。
そのとき、廊下側から走るような、ドタドタとうるさい足音が聞こえてきた。
「お待たせしました〜!ハルトさん!頼まれたチューリップですっ!!これでよかったですか?」
ユリアは腕いっぱいに抱えたチューリップをハルトの机の上にドサッと置いた。
「うん、ありがとう。でも、こんなにいらなかったかな……」
少し困ったようにハルトが顎に手を当てる。
「―――あ!もしかして迷惑でしたか……?こんなにいらなかった、とか?」
「全くその通りだよ……正直ね、1,2輪あれば十分なんだよね」
「そうでしたか……またミスしてしまいました」
「『また』どころじゃないけどね」
ははっ、とハルトはまた笑った。
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