暁 〜小説投稿サイト〜
精霊と命の歌
Disc1
仄暗き魔の森
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後ろをちらりと振り向くと森の景色がどんどん灰色になっていくのが見える。
あれは確実に触れたら駄目だ。
僕は隣で走るビビがころばないかひやひやしつつも何時でも行動に移せるように走る。

そして森の出口にたどり着き、後ろを振り返るとジタンと赤い人がまだだった。
森から茨が迫ってきており、それを潜り抜けるようにジタンが走って出口に飛び込むように飛んだ後すぐに森は茨に覆われ、石化した。

息切れしていたジタンは息を整え、森を見た後、石化した茨に駆け寄って茨を叩く。
ブランクとあの赤い人の名前と思われる名前を呟いていた。

(……間に合わなかったようだな)

(……そんな! あの人を助けなきゃ!)

(無理だ。俺達にこんな大規模の石化を治せるか? 冷静になって考えろ)

(……)

その後、僕達は少し暗い雰囲気の中で野宿する事になった。
騎士の人がジタンの態度を怒っていたけれど、ジタンだって石化した仲間が気にならないわけじゃないと思う。
こっそり拳を握り締めているのをさっき見た。
この中で一番辛いのはジタンだ。
さっきのブランクさんって人はジタンの仲間だったみたいだし、そりゃ何も思わないわけがない。
一番助けに行きたいはずのジタンが一番冷静だ。
僕も、冷静にならなきゃ……そう思っているとお姫様が目を覚ました。
起きたお姫様に騎士の人が跪き、ジタンとビビが近寄る。

お姫様は僕達にお礼を言い、騎士の人とジタンで口論になるけれどそこにお姫様が加わった事で口論は一応収まった。
でも、この口論の内容……

(ほう、姫を攫いに来た盗賊と城を逃げ出した姫は意気投合。騎士はそれを追っかけているってわけか)

(なんか……大変な事に巻き込まれていたんだね)

その後の話も呪われた人の心を狂わせる霧の話やこれから先どうするかとか。
色々な話をした。
そして見張りを騎士の人、スタイナーさんっていうみたいだけどその人がやってくれる事になって皆で寝る事になった。

だけど中々寝付けず、同じく寝付けなかったビビにこの世界の魔法について教えてもらいながら異界での始めての夜を過ごした。






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