暁 〜小説投稿サイト〜
精霊と命の歌
Disc1
仄暗き魔の森
[3/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
見て過去の自分の情けなさを思い出して少しだけ笑ってしまう。
あの頃と比べたら少しは成長できたのかな?

(それに、あの頃はラタトスクに頼ってばかりだったね……)

(……そう考えると成長したな? ぼうや?)

(そうだね)

ラタトスクと昔を少しだけ思い出す。
なんだかすごく懐かしい。
でも、今は懐かしさに浸っていられる時ではない。ビビと再び気を引き締めて先へ進む。

そして、たどり着いた森の奥には巨大な植物の魔物、この世界ではモンスター? がいて、その奥にはお姫様がいた。

騎士の人は盗賊のジタンに助けて欲しくないみたいだけど、そうも言っていられない状況。
というかジタン、盗賊だったんだと思いつつも全員で戦闘を始める。

(エミル! 何か来るぞ!)

しかし戦闘を始めた瞬間、ラタトスクが叫ぶ。
僕はその声に咄嗟に回避行動に出たけど、何かが目に入って目がかすむ。

(あいつ、花粉を飛ばしてきやがった!)

目に入ったのは花粉?
周りを見ると皆はもっと見え辛くなっているみたいで敵の攻撃に当たったり攻撃を外したりしている。
特にジタンが狙われている。相手は僕達各個撃破するつもりなのだろう。
このままじゃあジタンが!
そう思った時、赤い髪の人がジタンと敵の攻撃の間に割って入り、敵の攻撃を弾いた。

「危なっかしくて、見てられねーな!」

その人はジタンに薬を渡した後、ジタンの前に出た。

「どいてな、俺が手本を見せてやる」

その人は敵のが伸ばして攻撃してくるつるを剣で切り裂き、攻撃すると共に相手の手数を減らした。
相手は雷の魔法も持っているから全ては防ぎきれないけれど、復活したジタンと一緒に辛うじて動ける僕が赤い人と同じようにつるを切る。

「皆! どいてぇ!」

ビビの声で全員が敵から離れた瞬間、ビビが火の魔法、ファイアを放った。
ずっと力を溜め続けていたらしく、すごい火力で敵を燃やし尽くした。
相手は断末魔を上げながら灰になり、僕達は無事にお姫様を救出した。

そしてお姫様に薬を飲ませて一安心した時、地震が起きる。

(この力は……! 逃げろ! エミル!)

ラタトスクの警告する声と共に地震が収まった瞬間、先ほどまで戦っていたモンスターがいた場所に大穴が開いてそこから植物型のモンスターが溢れるように出てきた。

「うわあ!」

「早く逃げよう! 倒しきれる量じゃない!」

お姫様は騎士の人が抱えて全員で湧き出るモンスター達から逃げる。

(なにが起こっているの!? ラタトスク)

(さっきの穴から妙な力が噴き出していた。その力が森を凄まじい速度で浸食するように迫ってきている……触れた場合どうなるか分からねぇが碌な事にはならねぇだろうな)

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ