暁 〜小説投稿サイト〜
精霊と命の歌
Disc1
仄暗き魔の森
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夫。でも、いざとなったらお願いね)

(……無理はするな)

途中で見つけた綺麗な湧き水を飲んで少し元気を取り戻してからまた進む。
すると、足音が聞こえた。
僕達はすぐに戦闘態勢を整える。そして、出てきたのは……

「え、エミル!?」

「ビビ!」

ビビと騎士の人、それに尻尾の生えた人だった。

「お前がエミルか、オレはジタン。ほら、ポーション」

ビビと再会を喜んでいると尻尾の人が話しかけてきた。
薬と思われる物を僕に軽く投げて渡す。

「あ、ありがとうございます」

「敬語なんて使わなくていいぜ。名前も呼び捨てでかまわない」

「うん。じゃあ、ジタンありがとう。知っているだろうけど、僕はエミル。僕も呼び捨てでかまわないよ」

「ああ」

尻尾の人はジタンと言うらしい。回復薬? と思われる物をくれた。
飲むと傷が塞がる不思議な薬。グミみたいなものかな?

「再会を邪魔して悪いのだが、早く姫様をお助けせねば!」

騎士の人が慌てた様子で声をかける。

「えっと……どうしたの?」

「……それが、植物みたいなモンスターにお姫様が連れ去られちゃったんだ」

「それで今俺達が助けに向かう途中でエミルを見つけたって訳だ」

ビビが少し落ち込んだ様子で話し、ジタンが足りない説明を補う。
お姫様が、連れ去られた……?

「え、ええ!? じゃあ早く助けなきゃ!」

「ちょっと待てって! 傷は大丈夫なのか?」

「ジタンからもらったポーションのおかげで大分良くなったよ。僕もお姫様を助けるのを手伝うよ」

動きに支障はないし、十分戦える。
一応戦力には、なると思う。

「そっか、じゃあ頼りにしてるぜ! エミル!」

「かたじけない、エミル殿」

ジタンが僕の肩を軽く叩き、騎士の人がお礼をする。
なんだかちょっとくすぐったい気分だ……

その後、僕達は森の奥へと急いだ。
途中で植物型の魔物と出くわすけれど、先ほどまでとは違って傷を負わなくなった。

「すごいね、エミル」

ビビが魔法で魔物を倒した後にこちらを見て声をかける。

「ビビもすごいね。それに騎士の人やジタンも」

ジタンなんて隙あらば魔物からアイテムを盗んでいる。

「ボクは……すごくないよ。エミル達がいるから戦えるんだ……今でもすごく怖いし……」

そう言って落ち込むビビ。
なんだか昔の自分と被って見えた気がした。

「僕も、ビビ達がいるからこんなに戦えるんだ。それに誰だって始めは怖いし、友達や仲間に頼る事は弱い事じゃないよ。僕なんて始めて戦った時はすごくへっぴり腰で女の子に助けられたしね」

「エミルが? なんだか、想像できないや……」

ビビが驚く様子を
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