序文
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神様転生、という要素がある。友達とか、通りすがりの子どもとかを助けるために、鉄骨の下敷きになったり、トラックにひかれたりして死んだあと、突然神様が出てきて「自分たちの不注意で君を死なせちゃったから、どっか望みの世界に転生特典付けて蘇らせてあげるから許してっ☆」とかぬかす、いわゆる創作物、特に二次創作ネタである。
転生特典を手に入れた主人公(大体)は、得点を使って原作介入や、歴史介入をしていく。死ぬはずだった人物を生き残らせたり、歴史を大きく変えたり。
輪廻転生と大きく異なる所は、輪廻転生がそれなりの時間をかけて蘇るのに対し、こちらは体感時間では即座に蘇ること(個人差有)。元いた世界とは別の世界に蘇ること。大体の場合チートな特典が付いてくること、などだ。
あくまでもこれは創作物ネタなわけであり、実際問題起こることではない。歴史を変えると言っても、実際にそれができるだけの知識があるとは思えない。だから俺も、転生なんて信じてない奴だったし、したらどうしようかと考えることなんてなかった。だが――――今俺は、俺から見れば現実世界であるここで、それを体感している。
きっかけは実に些細なことだった。学校帰りに牛丼喰って、さて家に帰ろうとしたところで、工事現場のすぐそばを通りかかった時、落ちてきた鉄骨の下敷きになって死んだのだ。いや、実際死んだのかどうかは分からないが……ともかく、誰かを助けたとかそういうのではないわけである。
しかし、気が付いたらそこは真っ白な空間。死んだら意識とかは無くなるんじゃないかと思いつつ、あたりを見渡すと、謎の光がそこにひとつ。ちょっとまて。これは神様転生という奴か?え、うそ、実在したの?そもそもここはどこ?私は誰?いやいや俺は自分が誰だかわかっている。と言うかこれは本当に現実?夢じゃなくて?
夢なのか、夢じゃない……つまり現実なのかをてっとり早く確かめる方法なんて、実に簡単だ。今東西で古く使われた方法……それは……!
なんてことはない。ほっぺたをつねるだけである。ほっぺたをつねってみて、それが夢だったら痛みで目を覚ますはずだし、目を覚まさなかったら夢じゃなくて現実。そんなわけで敢行。思いっきりほっぺたを引っ張る。俺のほっぺは意外とやわらかいので、結構伸びた。
結果は――――
「痛い痛い痛いッ!!」
痛覚を感じた。しかし目は覚めない。つまり……これは……現実?いやまて。痛覚を感じるからと言って、夢じゃないとは限らない。そうだ。実際こんな方法が効果があるだなんて、誰が言ったんだ?はい、すみません。俺ですね。
とか思っていたら、唐突に正面にあった謎の光が喋り出した。
「ごめんねぇぇぇぇぇっ!!」
12歳くらいの女子の声で。泣きわめきながら。さす
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