第三十六話
[4/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「・・・なんでしょうか?」
まあ、うん。
ちょうどいい機会だし、大丈夫そうだから・・・
「もし良かったらさ、家に来ない?」
「・・・は?」
「いや、だからさ。ウチの一員にならない?」
「・・・・・・行く場所はないですから嬉しい提案なのですが、よろしいのですか?」
「まあ、うん。条件も満たせそうだし」
「条件といいますと?」
「また帰ったら、母さんにでも聞いてくれ」
アテ、マリー、キリカ、調と続いた結果、これは俺の口からいわないほうがいいことくらいは学んだ。
というわけで、話はここで終わりにする。
「・・・そうですか・・・」
「ま、信用できないならそれでいいよ。仕方ないとは思うし」
「・・・では、もうしばらく考えさせていただきます」
良い結果になることを期待しておこう。
さて、もうそろそろ話すことがないなぁ・・・
「話すことがないのでしたら、こちらからよろしいでしょうか?」
「うん、どうぞ」
話を振ってきてくれる程度には、心を開いてくれたのだろうか。
「では・・・何故私を助けたのでしょうか?」
「何故、って言われてもなぁ・・・俺のせいで生き残ったんだし、それが目の前で、ってのはさすがにな」
「本当に、それだけでしょうか?」
こちらに向けられているのは、明らかな疑いのまなざし。
何故だ・・・
「・・・どうして?」
「御身らカンピオーネは、勝負を第一におくものたちです。それが、一介の魔術師のために敗北しかねない具を犯すとは思えません」
「そうかなぁ・・・意外と、良くあると思うけど」
護堂とかも、結構頻繁にやってそう。
アイーシャさんもそうだし、アニーは、守るために戦ってる部分あるしな。
「・・・・・・」
が、それでは納得してくれなかったようだ。
「・・・まあ、他にも理由がないことはないよ」
「では、その理由を私の目を見ていってくださいますか?」
ヤバイ、すっごく恥ずかしい・・・
でも、やらないわけにも行かないし・・・
「・・・妹に、似てたんだよ」
「妹君、ですか?」
「うん。何もできないでただ怯えてるのが、さ。昔の妹に似てて、ついじっとしてられなかった」
昔、氷柱を連れ出してうちに引き入れたときのこと。
アイツの前の家に殴りこんだとき、真っ先に目に入ったのは家族に対して怯え、それでも何もできないで震えている氷柱の姿だった。
それと、瓦礫の辺りで何もできずに呆然としているこの子の姿が、被ったというのも、まあ理由に含まれるのだ。
「・・・そうか。この人は、ウソをついていないみたいだな」
「ん?何か言った?」
「いえ、何も。あ、髪にゴミがついています。取りましょう」
「いや、
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ