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少年と女神の物語
第三十六話
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「・・・なんでしょうか?」

 まあ、うん。
 ちょうどいい機会だし、大丈夫そうだから・・・

「もし良かったらさ、家に来ない?」
「・・・は?」
「いや、だからさ。ウチの一員にならない?」
「・・・・・・行く場所はないですから嬉しい提案なのですが、よろしいのですか?」
「まあ、うん。条件も満たせそうだし」
「条件といいますと?」
「また帰ったら、母さんにでも聞いてくれ」

 アテ、マリー、キリカ、調と続いた結果、これは俺の口からいわないほうがいいことくらいは学んだ。
 というわけで、話はここで終わりにする。

「・・・そうですか・・・」
「ま、信用できないならそれでいいよ。仕方ないとは思うし」
「・・・では、もうしばらく考えさせていただきます」

 良い結果になることを期待しておこう。
 さて、もうそろそろ話すことがないなぁ・・・

「話すことがないのでしたら、こちらからよろしいでしょうか?」
「うん、どうぞ」

 話を振ってきてくれる程度には、心を開いてくれたのだろうか。

「では・・・何故私を助けたのでしょうか?」
「何故、って言われてもなぁ・・・俺のせいで生き残ったんだし、それが目の前で、ってのはさすがにな」
「本当に、それだけでしょうか?」

 こちらに向けられているのは、明らかな疑いのまなざし。
 何故だ・・・

「・・・どうして?」
「御身らカンピオーネは、勝負を第一におくものたちです。それが、一介の魔術師のために敗北しかねない具を犯すとは思えません」
「そうかなぁ・・・意外と、良くあると思うけど」

 護堂とかも、結構頻繁にやってそう。
 アイーシャさんもそうだし、アニーは、守るために戦ってる部分あるしな。

「・・・・・・」

 が、それでは納得してくれなかったようだ。

「・・・まあ、他にも理由がないことはないよ」
「では、その理由を私の目を見ていってくださいますか?」

 ヤバイ、すっごく恥ずかしい・・・
 でも、やらないわけにも行かないし・・・

「・・・妹に、似てたんだよ」
「妹君、ですか?」
「うん。何もできないでただ怯えてるのが、さ。昔の妹に似てて、ついじっとしてられなかった」

 昔、氷柱を連れ出してうちに引き入れたときのこと。
 アイツの前の家に殴りこんだとき、真っ先に目に入ったのは家族に対して怯え、それでも何もできないで震えている氷柱の姿だった。
 それと、瓦礫の辺りで何もできずに呆然としているこの子の姿が、被ったというのも、まあ理由に含まれるのだ。

「・・・そうか。この人は、ウソをついていないみたいだな」
「ん?何か言った?」
「いえ、何も。あ、髪にゴミがついています。取りましょう」
「いや、
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