第三十六話
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見えて驚いていた。
「ここって、まさか・・・」
「幽界。アストラル界って言ってもいいかな。俺のせいで、こっちにくることになった。オマケに言えば、帰る方法も分からない」
「そ、そうなのですか・・・」
「えっと、どこまで覚えてる?その辺、暇だから説明しときたいんだけど」
そう言うと、また目に見えて遠慮しそうだったので、そう言うのはいい、ともう一度言う。
すると、さすがに遠慮できないと考えたのか少し考えるそぶりを見せる。
「・・・あ」
「思い出したか?」
「はい・・・。シヴァ神が光臨なさり、神殿が破壊されて・・・」
「で、俺のせいで君だけ残って、その君を助けようとしたざまが、これ。本当にゴメン」
肩をすくめたいけど、その肩すら片方ない。
今になってそれを知ったわけでもないだろうに、向こうはその腕を見て驚きに顔を染める。
「その、腕は・・・」
「ん?ああ、シヴァに壊されて、こうなった。槍メインだからどうにも戦いづらくてな・・・どうしよう・・・」
「あの・・・簡単な応急処置とか、治癒の術とか施しましょうか?」
「いや、いい。俺たちカンピオーネに治癒の術は効かないし、かといってへんに治療して腕が治らなくなると面倒だからな」
「治るのですか?その腕は・・・完全になくなっておられますが」
「うん、まあそう思うのが普通だよね・・・その感覚がなくなってきたな・・・」
すっかり、考えまで人外になってきたな。
もうそろそろ、人間名乗れそうにないぞ・・・
「どうされました?」
「あ、ううん。なんでもない。ちょっと思うことがあっただけだから。それと、腕のことだけど・・・」
これについては、実際にそのありえなさを目にしないと分からないらしいし、俺もこんな体質になるまではカンピオーネも人間なんだから、対抗できるかもしれないとか、バカみたいなことを考えてたし。
「たぶん・・・ってより、間違いなく治るよ。うん。生えてくるのか切断面からだんだんと伸びていくのかは分からないけど」
「そ、それほどにですか・・・」
「知らないかもしれないけど、俺たちカンピオーネ、ってのはそれほどまでに異常なんだよ。間違いなく、全世界の魔術師全員がかかってきても俺一人で全滅させれるよ」
開いた口がふさがらないようだ。
にわかには信じられないのかもしれないけど、事実だからなぁ・・・
「・・・申し訳ありません。話を変えてもよろしいでしょうか?」
「どうぞ。何の話にしようか・・・」
「ここから、どのように出るおつもりなのか、と」
「ああ、そっか。君はそれ、重要だもんね。俺も、あの二人が心配だからなぁ・・・」
といっても・・・
「今のところ、それが出来るだけの手段がない。とこれで話が終わっ
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