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緋弾のアリアGS Genius Scientist
イ・ウー編
武偵殺し
17弾 額の傷
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わよ!あたしにはもう時間が無いんだから!」
「なんだよそれ。意味が分からん」
「武偵なら自分で調べれば!?あたしに――――あたしに比べれば、あんたの事情なんて、大したことじゃないに決まってるんだから!」
『大したことじゃない』。
アリアがそう言った瞬間、俺の中で何かが壊れた。
気が付いたら、俺は襟首を掴みあげ、アリアを壁に叩きつけていた。
自分の中のドス黒い感情が込み上げてきて、それを言葉としてアリアにぶつけてしまいそうになる。
こいつは怪我人なんだ。そんなことはわかってる。
俺のせいで怪我を負ったんだぞ。だからどうした。
そして抑えきれずに、俺はどうしようもないほど膨らんだドス黒い感情を――――殺意を言葉に乗せ、アリアにぶつけた。
「今のセリフをもう一度でも言ってみろ。殺してやる」
「な、何よ……何なのよっ!」
俺の殺意から今の言葉は本気だと本能で察知したらしい。流石のアリアも、うろたえていた。
俺はアリアから手を放し、右手を目を覆うように置く。
ああ、今。俺は。
ひどい顔をしているんだろう。
誰にも見せたくないような顔を。
以前からも何回か話しているが、俺にはキンジという親友がいた。
『いた』。つまり過去形だ。
キンジは去年の夏に死んだ。
去年の夏。俺たちは2人でとある犯罪組織を追っていて、その日、ようやく奴らのアジトを強襲することになった。
その時俺は、キンジと、そして何より自分自身の実力を過信して、ロクな情報伝達も行わずに奴らを強襲した。
それでも俺たちは大半の敵を戦闘不能にし、捕縛していた。
事件が起きたのはその時だ。
キンジが残る最後の1人を捕まえようと、そいつに飛びかかった。しかし、俺は何も無計画にそいつを最後に残していたわけじゃない。そいつはその組織の中で唯一、
対防刃
(
アンチブレードガード
)
ナイフを持っていた。俺はその情報を事前に入手していたため、無暗にそいつを攻撃しなかった。
だが、キンジはそれを知らなかった。俺がその情報を伝えなかったせいで。なんとかなるだろうと思っていた。天才とまで呼ばれた俺とSランクのキンジなら。
でも、世界はそんなに甘くなかった。
キンジはそいつを捕縛する直前で対防刃ナイフで心臓を刺され、死亡した。
その後、俺は慌ててキンジに駆け寄り、その隙に最後の1人は逃げた。
それから俺は、武偵として前線に出ることをやめた。
俺が自分の実力を過信したせいで、キンジは死んだ。キンジが死んで、多くの奴が悲しみ、苦しんだ。
だから俺は、もう二度と前線で戦わないと決意した。専門
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