暁 〜小説投稿サイト〜
緋弾のアリアGS Genius Scientist
イ・ウー編
武偵殺し
17弾 額の傷
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、結論から言うと……犯人像に繋がるような痕跡は、何一つ見つからなかった」
「でしょうね。『武偵殺し』は桁外れに
狡猾
(
こうかつ
)
な奴よ。足跡なんて残すわけがない」
「『武偵殺し』……か。俺はチャリジャックもバスジャックも、『武偵殺し』の模倣犯だと思ってたんだけどな。なんたって――――奴は、もう既に逮捕されてるんだから」
「だから言ったでしょ。それは誤認逮捕なのよ」
俺は……そのアリアの話を、否定できなかった。
確かにこれは、模倣犯なんて低レベルな犯罪者の仕業じゃなさそうだ。
「あと……そのファイルには、俺のチャリジャックの調査結果も添付してある。だが、そっちも正直言って何もわからなかったに等しいよ。セグウェイもUZIも盗難品だったしな」
「使えない奴らね。そんな資料、読むだけ時間の無駄だわ」
「そう思うんならその資料はゴミ箱にでも捨てて、自分で調べればいいだろうが」
と言ったら本当にファイルをゴミ箱に捨てやがったので、俺はちょっとムカッときた。
何の手がかりも掴めなかったとはいえ、理子たちはみんな徹夜で調査してくれたのに。それに、理子は俺の友達だ。友達が『使えない奴』呼ばわりされたら怒るのは当然のことだろう。
「――――出てって。もう済んだでしょ」
「何がだ?」
「あんたが
強襲科
(
アサルト
)
に戻ってから最初の事件。それが済んだんだから、契約は満了よ。あんたはもう、
装備科
(
アムド
)
に戻っていいわ。さよなら」
ももまんを食べ終えたアリアが、吐き捨てるように言う。
「何だよ……本当に勝手な奴だな。あんだけ強引に引き込んどいて、用が済んだらそれかよ」
「謝ってほしいの?それともお金でも払えば気が済む?」
「……俺を怒らせたいのか?」
「さっさと帰ってほしいのよ。1人にして」
アリアはそっぽを向いて言い捨てる。
なんだよその態度。ムカつく言い方しやがって。
でも、それも仕方がないことなのかもしれない。こいつは怪我人なんだ。肉体的にも、精神的にも。
俺を庇ったせいで。
だから俺は怒りを抑えて、病室を去ろうとする。
「何よ……」
ドアノブに手をかけた俺の背中に、アリアが呟くのが聞こえた。
「あたしはあんたに、期待してたのに……現場に連れて行けば、また、あの時みたいに、本当の実力を見せてくれると思ったのに!」
「――――おまえが勝手に期待したんだろ。俺におまえに合わせられるだけの実力なんてない。それにもう……俺には戦える力がないし、そもそも本来は武偵でいる資格さえない」
そう、あの日。キンジを失ったあの日に。俺は力と、武偵としての資格も失った。
「そんなのあたしの知ったことじゃない
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