第十話 初陣
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てから答える。
「そうですね、先輩の言う通りです。」
ニヤリ、とあさのは隊長が笑った。
・・・この人は一体何を考えているのだろう。
僕の言ってたことは間違っているのか。
怖がり過ぎてるのだろうか。
?!
誰かが近づいてくるのが分かった。
この感じ・・・味方。
スタッ
木の上から木の葉の忍が私達の下に降りてきた。
「あさのは小隊長、大隊長が補給群の補給計画を直ちに知らせよ、とのことです。」
「わかった。すぐ行こう。」
あさのは隊長は前に出ながら答える。
二人はそのまま木の上に飛び乗り、あっという間に消えていった。
場が・・・静かになる。
木々の葉が擦れる音、虫の鳴き声、鳥の鳴き声、風が森を通る音、話しているときには聞こえなかった音が聞こえる。
「イナリ、大丈夫だよ・・・きっと。」
ハナが震える声で話しかけてくれた。
カタナは何も言わないけれど、ま、大丈夫だろ? みたいな顔をしている。
「イナリくん、大丈夫だよ。あさのは先輩が言ってた事は少し不安要素があるけど、間違いではないから。」
轟隊長が肩をすくめながら言った。
「そうだよ、大丈夫大丈夫!」
「ってかイナリって、あんなに言うタイプだったっけ?」
「俺がいるから大丈夫!」
アユ、トキ、ハカリも声を掛けてくれている。
よく見ると・・みんな震えている。
みんな、それぞれに不安を持っている。
僕たちは本当ならまだアカデミーの生徒だ。来年の3月に卒業試験を受けて下忍となる。そのあと、簡単な任務をこなしてから今やっているような任務につく。なのに、僕たちは色々なものをぶっ飛ばしてここにいる。
怖くない訳がない。
ーその瞬間、
あの光景が浮かぶ。
お堂で倒れている二人の姿。
ふるふると頭を振って、そのイメージを振り崩す。
何とかしないと。
同日 火の国国境 暁の森 岩隠れ側
???
岩隠れ側の陣地には、土遁の術で作られた塹壕が組まれている。その最奥に指揮官の指令所が設けられていた。
塹壕の中は暗く、明かりといえば空の暗幕に輝く月の明かりだけだった。
「敵はどうだ?」
低くドスの効いた声だ。
月明かりでぼやっと見える影が問う。
「はっ、偵察隊の話では今夜攻撃を掛けて来る様子はないとのことです。向こうは相当消耗したようですね。」
こちらは対照的に明るめで通る声だった。
「相手は油断しているか・・・。よし、土遁で地下を進み裏側から奇襲する。それと同時に地上の部隊も総
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